専用色のマット・ブラックや赤のステッチなど独自装備を多数採用
BMWは2002年の初代誕生以来、ブランドの象徴ともいえるオープン2シーターロードスター「Z4」に特別仕様車「BMW Z4 Final Edition」を設定し、2026年1月下旬から短期間のみ受注することを発表しました。2026年3月に予定されているZ4の生産終了に際し、現行3代目モデルの集大成として製作されるものですが、独自装備を多数備えることから将来的なコレクターズアイテムとなる可能性も高い貴重なモデルになるでしょう。
日本では購入できない+約75万円の「Final Edition」
まずはエクステリア。同エディション専用色のフローズン・マット・ブラックを採用したことが最大の特徴だ。この特別なマット塗装はZ4の持つシャープな造形を際立たせ、力強さと上質さを同時に演出。さらに標準でMハイグロス・シャドーラインが組み合わされ、ブラックの濃淡によるコントラストが精悍な印象を一層強めている。また、ハイグロスレッド仕上げのMスポーツブレーキも専用装備として採用され、アクセントとしてだけでなく、スポーツモデルらしい高い制動性能を備える。
一方のインテリアでは、赤のコントラストステッチが個性を象徴するシンボリックギアとなっている。ステッチはインストルメントパネル、センターコンソール、ドアトリム、そしてVernascaレザー/アルカンターラを用いたMスポーツシートに施され、統一感と華やかさを演出する。Mアルカンターラステアリングホイールにも同様の赤ステッチが配され、ドライバーが触れる部分にスポーティな質感を強調。さらに、専用刻印入りドアシルプレートも採用され、Final Editionならではの特別感が一段と高められている。
同モデルはすべての現行Z4モデルで選択可能で、ラインアップは3種類となる。Final Editionの価格は全モデル共通で+4200ユーロ(約75万円)だが、sDrive20iのみM Sportパッケージ(通常3200ユーロ)が標準装備でないため合計7400ユーロとなる。
BMWロードスターの歴史に終止符!有終の美を飾る3代目
Z4はBMWの長いロードスターの伝統を受け継いできたモデルだ。その血統には、328 ロードスターや507、Z8といった名車が名を連ねる。Z4の初代(E85)は2002年に登場し、ロングノーズとショートデッキのプロポーション、50:50の理想的な重量配分、高いねじり剛性などによりロードスターとしての基準を大きく刷新した。その後2008年には2代目(E89)が登場し、20秒で開閉可能な電動ハードトップを標準採用。快適性とスポーツ性を両立し、BMW iDriveが初めて導入されるなど技術面でも進化を遂げた。
現行の3代目は2018年に発表され、電動ソフトトップの復活、先進的な運転支援機能、コネクティビティの強化など、現代的なロードスター像を作り上げた。Final Editionは、この3代目Z4の終着点として位置づけられ、ロードスターの楽しさを象徴する最終モデルとなる。

【AMWノミカタ】
Z4の生産終了はBMWファンにとっては悲しいニュースではないだろうか。先代モデルのZ3の爆発的な人気をベースに、さらに高いパフォーマンスと快適装備を纏って登場した。Z3のプリミティブでクラシックなライトウェイトスポーツモデルはZ4で大幅にモダナイズされ、「より速く・より確実に走れる」ロードスターへ進化した。
日本のスーパーGTなどでもZ4 GT3「初音ミクBMW」号などが多くの優勝を獲得するなどレースシーンでも輝かしい歴史を残してきた。しかし2シーターロードスター市場の縮小と、電動化の波にこのパッケージがマッチしなくなってきたことも影響しただろうことは間違いない。
今回のFinal Editionは4200ユーロ(約75万円)のオプション価格で専用のマットカラーやシャドーライン、インテリアでは赤いコントラストステッチがいたる所に配され、Z4が持つスポーティさをさらに際立たせる仕様となっている。ロングノーズとショートデッキのプロポーション、筋肉質なボディーライン、精悍な顔つきとオープンモデルの開放感はいまだその魅力を失っていない。熟成された最後のZ4として、そしてBMWのピュアエンジンモデルとして日本のファンも注目だろう。






















































