自動車博物館のアイコンがなぜかコンコルド
ドイツ在住のモータージャーナリストの池ノ内みどりさん。アウトバーンからも見えるコンコルドがアイコンのジンスハイム自動車・技術博物館に久々に立ち寄りました。以前に何度か訪れた際には駐車場が満車ということは一度もなかったそうですが、立ち寄った土曜日は大勢の人でミュージアムのまわりが大賑わい。どうやらオールドタイマーのトラックのイベントが開催中とのこと。なんだかワクワクする予感です。
来場者の目当てはじつは陸路で辿り着いた潜水艦のUボート?
ミュージアムの敷地へ足を踏み入れると、数多くのかわいらしいレトロなトラックが並んでいます。トラックのイベントだけを見学するのは無料ですが、せっかく来たのでまずは入場券を購入するためにチケットカウンターへ。
屋根にはコンコルドをはじめ、数多くの航空機が空へ向かって並んでいるうえ、新しく展示物に採用された巨大なUボート・U17も目に入り、相変わらずカオスな感じですが、これがこのミュージアムの特徴なのです。
このUボートは2024年7月に遠く北ドイツのキールからオランダへ運ばれ、そこから水路でネッカー川を通ってシュパイヤーへ運ばれ、シュパイヤーからジンスハイムへの約40㎞を陸路で輸送されたそうです。その壮大な輸送ドキュメントはニュースにもなりました。実物を見てみたいと願っていたのは私だけではなかったようで、Uボートの中へ入るには大行列でしたので、今回は諦めて外観だけ写真を。
敷地内はいくつかの建物に分かれているのですが、まずはチューニングカーの特別展のホールへ。日本もそうですが、ドイツでもとくに1970年~1990年代は、若者達の間でチューニングが流行し、愛車の個性を主張する時代だったようです。とくにドイツで人気だったチューニングのベース車両は、オペルやフォルクスワーゲン・ゴルフです。
その頃からお手製のレーシングカーで草レースに出場する若者が増え、ニュルブルクリンク耐久シリーズや24時間レースが盛んになっていきました。BMW のMやAMGなど、チューニングから派生して誕生したスポーティモデルの原点でもあり、現代のドイツのモータースポーツ史においても重要な時代です。

蒸気機関車やコンコルド、レトロトラックとバラエティ豊かな展示
特別展から一般展示フロアへ。所狭しと並ぶさまざまな車両には圧巻されます。本当にじっくり見学するとなると、相当な時間がかかるので歩きやすい靴は必須です。蒸気機関車にヘリコプター、航空機に歴史的な自動車、F1マシン…それらが一堂に広大なフロアに展示されています。
その展示フロアから階段を上がると、屋上に抜けてコンコルドなど数基の飛行機を間近に見学できるほか、機内に入ることもできます。一部の航空機にはミュージアムの出入り口に繋がっている滑り台が設置されていて、飛行機の中から滑り降りることができるのでとても楽しそうなのですが、さすがに妙齢な日本人ひとりではその勇気もなく階段で降りました(笑)。
アメ車の展示ホールもありますが、今回はパスしてレトロなトラックを見学に向かいました。ドイツメーカーのメルセデスやMANを中心に、スカーニアやルノーなど、ドイツ以外のメーカーのトラックも並んでいます。これら大型車をコレクションしている人たちは大型倉庫のようなところを所有していたり、レンタルしているのでしょうか。どの車両も非常に美しく、コンディションが良さそうです。どのようにして保管しているのかとても気になりますね。


















































































































































