憧れの名車がトミカのショーケースのような陳列にうっとり
ミュンヘン在住のモータージャーナリストの池ノ内みどりさんが、1年ぶりにドイツのヘッセン州にある「ナツィオナーレ・アウトムゼウム ザ・ロー・コレクション」を訪問しました。前回は移動中に偶然近くを通り掛った際に軽く立ち寄った程度でしたが、今回は同地での取材終了後にゆっくりと観覧。とても素敵な時間を過ごされたようです。
数多くの歴史的モデルに混じって荒聖治選手のヘルメットも所蔵!
この地域出身の実業家フリードヘルム・ロー氏が幼少期に見たメルセデスのSLに衝撃を受け、「大人になったら手に入れたい」…そんな幼き頃の夢から始まったコレクション。憧れのSLを筆頭に趣味でクルマを収集していましたが、その数が段々と増え「ミュージアムを作ってみなさんにご覧になって頂こう」と開館されたそうです。
ミュージアムといえば、都会にあって観光客が足を運びやすい立地に建てることが一般的ですが、ロー氏の意向で地域の雇用や観光促進を願って、あえてこの小さな村に建てたと聞き及んでいます。現在は系列のホテルも建築中とあって、ドイツの観光都市ではない小さな町で宿泊もしながらのんびりとした旅をしてもらおうという願いもあるそうです。
展示車両のほぼすべてがオリジナルで、世界にたった1台しかないと言われている「アルファ ロメオ16Cビモトーレ」も展示されています。数多くの歴史的なモデルを所有しており、ヨーロッパ各地のミュージアムへ貸出することもあるそうです。広報スタッフから今年はF1の特別展示中と伺っていたので、早速特別展示のフロアへ。
一般展示フロアは歴史的なクラシックカーから始まります。古い工場だった建物をレストアして作ったミュージアムだけに、その雰囲気もステキです。しかも壁一面にはまるでミニカーのように稀少車がぎっしりと並んで圧巻です。
2004年にル・マン総合優勝を飾った荒聖治選手がドライブしていたアウディR8や、優勝総合トロフィも展示されています。さらに荒選手のヘルメットも所有しているそうです。アウディが勝ち取った数多くのル・マン総合優勝の車両のなかで、唯一アウディが手放した車両がこの地で大切に保管・展示されています。

ミュンヘンとは違うメルヘンちっくで歴史情緒溢れる小さな町を散歩
ミュージアム取材後には同じヘッセン州にあるヘルボルンの町に立ち寄ってみました。平日の午後ですが駐車場が満車続きで驚きました。この日は町の中心地に市場が開かれていました。それも観光客用市場ではなく、八百屋さんやお肉屋さん、お花屋さんにパン屋さんと地域に根付いたお店ばかりで、見ているだけでも楽しかったです。
1周してもすぐ終わる小さな町なので、2周目は裏道をのんびりとお散歩。建築された年月が記載されている案内板のある建物があり、偶然通りかかったのがこの町でもっとも古い建物でした。1445年に建てられていました。その頃の日本はというと室町時代です!
近隣の建物も同様にとても古く、住宅の他にも店舗や事務所、図書館等として利用されています。持ち主や町が歴史的な建造物の保存に尽力しているのはもちろんのこと、長期間にわたってしっかりと保存されているのは、地震がほとんどない国ならではでしょうね。まるでメルヘンの世界のような木組みのかわいらしい建物が並び、私の住む南ドイツとはまったく違う風景に、なんだか異国に来た気分になりました。






























































































