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世界的に希少な名車で”町興し”!ドイツの田舎にある自動車博物館がマニアックすぎる【みどり独乙通信】

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TEXT: 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)  PHOTO: 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)

  • デラージュ2LCVグランプリV12やブガッティ・タイプ53なども展示されています
  • ランボルギーニ・カウンタックLP400やDMCデロリアンなども展示されています
  • 手前にはフェラーリ275P
  • フェラーリ312B3も展示されています
  • ランボルギーニ・ミウラSVにシボレーC2コルベットコンバーチブルの姿も
  • ランボルギーニ・カウンタックLP400やDMCデロリアン、奥にはポルシェ 911RSなども展示されています
  • シトロエン2CVやACエースなど、幅広い車種が展示されています
  • アートな背景に収まるフェラーリF40
  • ブガッティ・チェントディエチ(左)、ブガッティ・ヴェイロン(中央)、フェラーリSP1
  • BMW M3 DTMです
  • こちらはメルセデス・ベンツCLK DTM
  • フェラーリ330P4が跳ね馬の名車たちを従えています
  • フェラーリ212インターメカニカも!
  • BMW507やVWカルマンギアも展示されています
  • F1の特別展示からはフェラーリ312B3
  • F1特別展の様子
  • Nationales Automuseum 内の展示方法はとても個性的で斬新です。圧巻の素晴らしさでした
  • これは世界に1台しかないと言われているオリジナルの「アルファ ロメオ16Cビモトーレ」です。前後にエンジンを搭載しています
  • 2025年はF1が特別展示とあり、館内のレストラン前にもフェラーリとBMWが展示されていました
  • エントラントの意匠がおしゃれです
  • Nationales Automuseumへは、フランクフルト方面のアウトバーンを通って行きます
  • 道中で立ち寄ったアウトバーンのサービスエリアです。最近は少しおしゃれなところもありますが、どこに行ってもメニューはほぼ同じです
  • ヘルボルンのステキな木組みの住宅と市場の様子
  • ヘルボルンのメインストリートでは、ストリートカフェが平日にもかかわらず、とても賑わっていました
  • ミュージアムの駐車場で、私の隣に停めていた老夫妻のランボルギーニ。トランクからカバーを出すので、びっくり。きっといたずら防止なのでしょう
  • 狭い道にもアバルトはコンパクトで便利です。古い町並みにもおしゃれに映えます
  • 駐車場にはこんなに状態の良い黄色い2CVがいました。このクルマが欲しかった時期がありました
  • 初めて訪れたヘルボルンの町の中心地です。私の住むバイエルン地方とは建築様式が違い、とても興味深いです
  • 訪れた日にはちょうど市場が開催されていました
  • 裏通りにあった古い家には、こんなシュールな彫刻がありました
  • ヘルボルンの木組みの伝統的な建築です
  • ヘルボルンの裏通りでもっとも古いお宅の案内板を発見。1445年に建築され、1990年代に全面リフォームされたようです
  • 前後にエンジンが搭載された「アルファ ロメオ16Cビモトーレ」です。エンツォ・フェラーリが設計したクルマです
  • まるでミニカーのように展示されているクルマたち

憧れの名車がトミカのショーケースのような陳列にうっとり

ミュンヘン在住のモータージャーナリストの池ノ内みどりさんが、1年ぶりにドイツのヘッセン州にある「ナツィオナーレ・アウトムゼウム ザ・ロー・コレクション」を訪問しました。前回は移動中に偶然近くを通り掛った際に軽く立ち寄った程度でしたが、今回は同地での取材終了後にゆっくりと観覧。とても素敵な時間を過ごされたようです。

数多くの歴史的モデルに混じって荒聖治選手のヘルメットも所蔵!

この地域出身の実業家フリードヘルム・ロー氏が幼少期に見たメルセデスのSLに衝撃を受け、「大人になったら手に入れたい」…そんな幼き頃の夢から始まったコレクション。憧れのSLを筆頭に趣味でクルマを収集していましたが、その数が段々と増え「ミュージアムを作ってみなさんにご覧になって頂こう」と開館されたそうです。

ミュージアムといえば、都会にあって観光客が足を運びやすい立地に建てることが一般的ですが、ロー氏の意向で地域の雇用や観光促進を願って、あえてこの小さな村に建てたと聞き及んでいます。現在は系列のホテルも建築中とあって、ドイツの観光都市ではない小さな町で宿泊もしながらのんびりとした旅をしてもらおうという願いもあるそうです。

展示車両のほぼすべてがオリジナルで、世界にたった1台しかないと言われている「アルファ ロメオ16Cビモトーレ」も展示されています。数多くの歴史的なモデルを所有しており、ヨーロッパ各地のミュージアムへ貸出することもあるそうです。広報スタッフから今年はF1の特別展示中と伺っていたので、早速特別展示のフロアへ。

一般展示フロアは歴史的なクラシックカーから始まります。古い工場だった建物をレストアして作ったミュージアムだけに、その雰囲気もステキです。しかも壁一面にはまるでミニカーのように稀少車がぎっしりと並んで圧巻です。

2004年にル・マン総合優勝を飾った荒聖治選手がドライブしていたアウディR8や、優勝総合トロフィも展示されています。さらに荒選手のヘルメットも所有しているそうです。アウディが勝ち取った数多くのル・マン総合優勝の車両のなかで、唯一アウディが手放した車両がこの地で大切に保管・展示されています。

ミュンヘンとは違うメルヘンちっくで歴史情緒溢れる小さな町を散歩

ミュージアム取材後には同じヘッセン州にあるヘルボルンの町に立ち寄ってみました。平日の午後ですが駐車場が満車続きで驚きました。この日は町の中心地に市場が開かれていました。それも観光客用市場ではなく、八百屋さんやお肉屋さん、お花屋さんにパン屋さんと地域に根付いたお店ばかりで、見ているだけでも楽しかったです。

1周してもすぐ終わる小さな町なので、2周目は裏道をのんびりとお散歩。建築された年月が記載されている案内板のある建物があり、偶然通りかかったのがこの町でもっとも古い建物でした。1445年に建てられていました。その頃の日本はというと室町時代です!

近隣の建物も同様にとても古く、住宅の他にも店舗や事務所、図書館等として利用されています。持ち主や町が歴史的な建造物の保存に尽力しているのはもちろんのこと、長期間にわたってしっかりと保存されているのは、地震がほとんどない国ならではでしょうね。まるでメルヘンの世界のような木組みのかわいらしい建物が並び、私の住む南ドイツとはまったく違う風景に、なんだか異国に来た気分になりました。

>>>ドイツ在住池ノ内みどりさんのクルマにまつわるコラムはこちら

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  • 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)
  • 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)
  • ドイツ ミュンヘン市在住 フリーライター&コーディネーター。東京で学生生活を謳歌した後にオーストリアのザルツブルグで再び学生生活を謳歌し、なんとか卒業。三度目の学生生活を謳歌しにミュンヘン大学入学を機にドイツへ。ミュンヘン大学在学中の現地広告代理店でのアルバイトがきっかけで、モータースポーツに魅せられて大学を中退し、モータースポーツ業界へ飛び込む。愛車のBMW M240iカブリオレを駆り、ヨーロッパ各国のサーキットへ取材に向かう。趣味はアルプスの峠越えドライブと蚤の市めぐり。好きなサーキットはニュルブルクリンクとスパ・フランコルシャン。ヨーロッパ生活はもう少しで30年。
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