クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CLASSIC
  • 軽自動車に「ハイトワゴン」という新風を吹き込んだ!スズキ初代「ワゴンR」の革新的な思想と魅力【カタログは語る】
CLASSIC
share:

軽自動車に「ハイトワゴン」という新風を吹き込んだ!スズキ初代「ワゴンR」の革新的な思想と魅力【カタログは語る】

投稿日:

TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)

画期的だったユーティリティ機能

機能的な室内設計にも目を見張った。一番の売りはダブルフォールディングリアシートだ。これは後席の背もたれを前倒しすれば、連動して座面が前方に移動しつつ沈み込み、最終的に低くフラットなラゲッジスペースが作り出せるというものだ。簡単な操作でできるところがよかった。リアシートはその後リクライニング機構が追加されるなどしている。

それと助手席座面を前方にハネ上げると出現するシートアンダーボックスも便利だった装備のひとつだ。約16Lの容量をもち、後に“バケツ”と呼ばれながら、他のスズキ車にも展開され定番となった装備だ。インパネは今見てもシンプルで美しいとさえ思えるデザインで、ポケット類も豊富に用意されていた。ただカップホルダーがまだなかったのは(後にシフトレバー前方に用意された)、時代を感じさせる事実というべきか。

バリエーション拡大と5ドア追加で人気が加速

一方でバリエーションの拡充も図られた。1993年11月に追加された“ワゴンRロフト”はそのひとつだ。生活雑貨を扱うLoFtとのタイアップで生まれたこのモデルは、ボディサイドストライプテープ、専用シート表皮などを装備し、“都市生活車”を謳い、いわば生活スタイルこだわり派向けにリリースされたモデルだった。また1995年2月にはインタークーラーターボが登場した。そのほかにコラムシフトとフロントベンチシートを組み合わせたワゴンRコラム、エアロパーツを装備したエアロRSコラムターボなども登場した。また’96年4月には、右側にもドアをプラスした5ドアが登場し、ワゴンR人気をさらに加速させた。

30年を経ても色褪せないシンプルで機能的な佇まい

いま改めてカタログで眺めても初代ワゴンRのシンプルでクッキリとした佇まいは決して古さを感じさせない。黒い樹脂色のバンパーをアクセントとし、低い位置から開くバックドア(ボタン開閉式、電気式ロックも採用され、運転席から解錠/施錠もできた)は見るからに機能的だったし、「さてこのクルマをどう使おう!?」と夢が膨らませてくれるものだった。軽自動車という概念にとらわれず、輸入車の横に並べてもヒケをとらない、日常的にスマートに乗りこなせるコンパクトで機能的、かつチャーミングなクルマだった。

>>>なつかしい! が満載の「カタログは語る」はこちら

12
すべて表示
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
著者一覧 >

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS