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「来れるもんなら来てみろ!」静岡県の山奥に集まった28台のサンバーとオーナー凄すぎた

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TEXT: 菅 正博(KAN Masahiro)  PHOTO: 逆瀬川正人(SAKASEGAWA Masato)

  • 眼前に広がる大井川の流れと会場が、開放的な雰囲気にさせてくれる。サンバーは自然とよく似合うクルマだ。手前には珍しいダンプの姿も
  • 主催の菅正博氏(フィールドエイム)
  • トークショー中の上田大門氏。40年以上前の内容も「忘れた」と言いながら、開発秘話からオフレコの話まで次々と飛び出した
  • トラックの荷台が簡易ジャンク市スペースに変身! 持ち込まれたサンバー以外のアイテムにも興味津々
  • ノウハウぎっしりのサンバー猛者が集まると、製廃が続くパーツ情報や、細かい技術系のマニアックな話も飛び出す
  • いろいろ集めたパーツを提供・販売。各エントラントはパーツ収集に余念がなく、中古パーツであっても使えるものは放出してくれる
  • 機関系チューニングも多数。「見せる・魅せる」ための専用パーツが少ないぶん、ここにも独自のノウハウがぎっしり詰まっている
  • 運営スタッフ。 L to R(Back side):逆瀬川正人、菅正博(フィールドエイム)、鈴木智(KV4) Front side:西條徹也(Club HUCKLE)、羽田野毅(TW2)、岡本政幸(TV1 Dump)
  • 2025 SAMBAR ステッカー
  • 集結したサンバー28台!
  • サンバーフリークスの皆さん! 年齢を超えた交流が楽しい。最前列でVサインをしているのが上田大門氏、隣が主催の菅正博氏

スバルが生産したサンバーだけが集まるマニアックなミーティング

いまやダイハツからのOEM車となっていますが、スバルが生産した「サンバー」はいまだに根強い人気に支えられている軽自動車です。その魅力を改めて感じさせてくれるイベント「FHIサンバーミーティング」が、静岡県榛原郡川根本町にあるCLUB HUCKLE Oigawa BASEで開かれました。全国各地から集まったのは、年式も使い方も異なるサンバーミーティングのイベントをレポートします。

タフなクルマであることを証明するために選んだ会場

秋が深まった勤労感謝の日、11月23日に開催された「FHIサンバーミーティング」は2025年で2回目。富士重工業(現SUBARU)が生み出した軽自動車、サンバーオンリーのイベントだ。イベント名の最初についている「FHI」は、Fuji Heavy Industries(富士重工業)の略称である。

2012年にSUBARUメイドのサンバーがラインオフしてから13年。まだ街なかではよく見かけるサンバーは、自動車税が全車アップする時期に差し掛かっており、旧車に向かって確実に進んでいる車両だ。

しかし気温がだんだん下がってきたこの時期は、エンジンにとっても具合がよい。会場である「クラブ・ハックル」は、大井川鐵道の終点である千頭駅よりさらに先の沢間という、大井川鐵道アプト式(狭軌鉄道)の駅至近に位置する。この場所に設定したのには理由がある。本州のほぼ真んなかであり、サンバーには「赤帽」という長距離を移動している車両もある。きちんとメンテナンスされていれば超長距離を走ることができるクルマ、ということを証明するのにも絶好の場所なのだ。

日本全国からサンバーが集結!最遠来者は北海道

千頭の山なかということもあり、「来れるもんならきてみろ」という意味合いも含まれている。実際、東から高速を使えば国道(酷道)362号線という激しいワインディングもあり、かなり好調な車両でなければ辛い思いをする難所だ。そこに募集台数を上まわる28台が集結してくれた。

集まったのは旧規格軽自動車のK系から現行の軽自動車規格のT系まで、1990年以降のEN07エンジン搭載車両だ。景観のよいクラブ・ハックルは、茶畑と眼前に広がる大井川があることで前泊者も多数。開始時間前から目の前にある橋をサンバーが列をなして走る姿が印象的だった。集結したサンバーは個々のニーズに合わせた独自改造が施されており、見まわすだけでも楽しい。最遠方からの来場は、なんと北海道! ローダウンされて走りに徹した改造や車中泊仕様、そして珍しいダンプが3台並ぶ姿も見られた。

午前中は挨拶から始まり、トラックの荷台を利用した簡易ブースでのジャンク市などを開催。普段会えない東西南北のサンバーユーザーたちが交流を深めていたのが印象的だった。昼にはクラブ・ハックル特製のカレー(これが美味い!)が提供され、晴天に恵まれたテラスはまったりとした気分に包まれた。エントラント全員が同じ飯を食うというのが、また楽しい。

EN07開発者が語る4気筒エンジンの裏側

午後からは、他社の軽自動車にほぼ例がない4気筒エンジン「EN05 / EN07」を開発した元スバルの上田大門氏を招いて、スペシャルトークショーを行った。4気筒エンジンにした開発経緯など、約1時間、裏話などを含めて興味深い内容で、エントラントも興味津々に聞き入っていた。

なかでも興味深かったのは、100万台を超えるEN07エンジンに大きなトラブルが出ていないということだ。過酷な環境で使われているにもかかわらず、驚くべき耐久性があったという事実。エンジンが求めた堅実な設計が裏付けされているということだ。

ラストは協賛各社のお土産コーナー。スタッフが独自にプレゼントを決め、エントラント全員に行き渡るような形式で終了した。来年も同月同日、同場所で開催する予定だ。エントラント全員が笑顔で「酷道」に向かって解散した。全員が事故もなく帰還してくれたことが何よりうれしい。また来年も!

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