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アラン・プロストのフェラーリF40が約5.8億円で落札!走行距離3000マイル以下の奇跡の個体

アラン・プロストのフェラーリF40が約5.8億円で落札!走行距離3000マイル以下の奇跡の個体

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TEXT: 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)  PHOTO: 2025 Courtesy of RM Sotheby's

プロストはルーフにサインを入れて次のオーナーへと売却

プロストに与えられたシャシーナンバー#83249のF40は、1989年にスイス市場向けのモデルとして工場を後にしたが、触媒コンバーターやアジャスタブルサスペンションは装備されておらず、1990年2月にプロストの自宅があったフランスのメリベルで登録されている。

しかし、プロストがこのクルマをドライブすることは、ただの1度もなかったという。しかも、デリバリーからほどなくして売却。2人目のオーナーに手渡される前に、プロストはこのクルマのルーフにサインを入れている。

2人目のオーナーは、当時フェラーリ・チャレンジにも出場したジェントルマンドライバーであり、フェラーリコレクターでもあったイギリス人のグラハム・デ・ジル氏。グレイポールというフェラーリディーラーを通じて購入された。ほどなくジル氏は、イギリスの王室属領であるジャージー島に移住。これより前にこのクルマはイギリスで登録され、オドメーターが交換されてキロメートルからマイル表記に変更された。ジャージー島在住時代の1997年には、イギリス『モータースポーツ』誌の取材を受け、本人所有の288GTOやF50とともに走行している。

比較テストを行った同誌のアンドリュー・フランケル氏によれば、「巧みに制御された凶暴さの芸術において、F40に匹敵するものはない」と記している。

フェラーリ・クラシケ認定を受けコンクールで2位を獲得

#83249は1999年にイギリスに戻るとジル氏はこのクルマを売却し、新たなオーナーはワーウィックシャーのデービッド・ダーリング氏となった。しかし彼もこのクルマをほとんど使用せず、その後2016年に至るまで、イギリス国内のオーナーの間を転々としていた。

そして2016年にフェラーリ・クラシケの認定を受け、フェラーリ創立70周年の記念イベントに招待。その誕生を記念するフィオラノ・コンクールにおいて、クラス2位を獲得するのである。このとき、オーナーはすでにフランス人へと変わっていた。

F40はフェラーリのなかでも特別な存在だ。今となってはかなりプリミティブなノンパワーアシストのステアリングやブレーキを持ち、クラッチも相当に重い。まさに公道は走れるが、そのスピリットは完全にレーシングカーのそれといえよう。

エンジンは当時のフェラーリF1同様にV8ツインターボを採用。排気量は2.9Lで、5速マニュアルとの組み合わせである。最高出力472hpに対して車重はわずか1100kgと軽量だから、その走りが当時いかに並外れたものであったかは想像に難くない。

アブダビのRMサザビーズオークションに出品された当時、走行距離はわずか2961マイル。付属品として工具セット、スケドーニ製スーツケース、オーナーズマニュアルと交換用サービスブック、モータースポーツ誌、コンクール2位のトロフィー、オリジナルのフロントスポイラー、新品タイヤセットなどが提供された。落札予想価格は320万ドル〜 370万ドル(邦貨換算4億9600万円〜5億7350万円)とされていたが、実際には388万6250ドル(邦貨換算約5億8293万7500円)でハンマーが打たれた。

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  • 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)
  • 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)
  • 幼いころからクルマに興味を持ち、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾る。 大学在学中からレースに携わり、ノバエンジニアリングの見習いメカニックとして働き、現在はレジェンドドライバーとなった桑島正美選手を担当。同時にスーパーカーブーム前夜の並行輸入業者でフェラーリ、ランボルギーニなどのスーパーカーに触れる。新車のディーノ246GTやフェラーリ365GTC4、あるいはマセラティ・ギブリなどの試乗体験は大きな財産。その後渡独。ジャーナリスト活動はドイツ在留時代の1977年に、フランクフルトモーターショーの取材をしたのが始まり。1978年帰国。当初よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動し、すでに45年の活動歴を持つ。著書に三栄書房、カースタイリング編集室刊「世界の自動車博物館」シリーズがある。 現在AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)及び自動車技術会のメンバーとして、雑誌、ネットメディアなどで執筆する傍ら、東京モーターショーガイドツアーなどで、一般向けの講習活動に従事する。このほか、テレビ東京の番組「開運なんでも鑑定団」で自動車関連出品の鑑定士としても活躍中である。また、ジャーナリスト活動の経験を活かし、安全運転マナーの向上を促進するため、株式会社ショーファーデプトを設立。主として事業者や特にマナーを重視する運転者に対する講習も行っている。
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