1/64スケールでどこまでGr.Aマシンを表現できるか?
今回の「KYOSHO MINI CAR & BOOK No.25」でもっとも注目したいのは、HKS GT-R特有のカモフラージュカラーの再現度だ。1/64という限られたスケールのなかで、迷彩柄の境界線や色味のトーンが破綻なくまとめられ、遠目から見ても「HKSのGT-Rだ」と直感できるほどの完成度を誇る。
グループA車両は改造範囲が厳しく制限されていたため、個性を出すようなエアロパーツが装着されていない。だからこそ、このモデルでは市販車とグループAマシンの違いを正確に魅せる必要がある。フロントやリアの表情、サイドマフラーの取りまわし、アルミホイールの質感、そして室内のロールケージに至るまで、4950円という価格を考えれば、驚くほど丁寧に作り込まれグループAマシンを表現している。
「小さいから仕方ない」という妥協は微塵も感じられない。むしろ「1/64でどこまで本物に迫れるか」といったところに注目してほしい。
ライトが灯る「MOTNシステム」という遊び心
さらに、このモデルには京商独自の「MOTN(モトン)システム」が採用されている。これは別売りの「MOTN LEDベースシステム」と組み合わせることで、ヘッドライトとテールランプを点灯させることが可能となる。
点灯ギミックは、子ども向けの玩具的な演出に見られがちだが、このGT-Rに限っては話が別だ。闇に浮かび上がるリアコンビネーションランプは、夜のピットロードで出番を待つマシンのような、レース車両ならではの「生々しい色気」を引き出してくれる。GT-Rを愛し、レースを愛する人こそ、この演出の価値を理解できるはずだ。
当時のドライバーや開発エンジニアまでを徹底取材
小冊子も、期待を裏切らない内容だ。レストア作業によって当時の姿を取り戻したHKSスカイラインの現在の様子はもちろん、実際にステアリングを握ったドライバーや、開発に心血を注いだエンジニアへの取材を通じて、マシンやレースの舞台裏までが丁寧に綴られている。
グループA時代の「29戦29勝」を振り返る企画や、HKSの歴代マシンが眠る秘蔵庫の紹介など、読み物としての純粋な面白さも追求されている。単なる「ミニカーのおまけ」ではなく、この一冊を通じてスカイラインGT-Rという存在をより深く、立体的に理解できるはずだ。ミニカー好きからクルマ好きになるきっかけを与えてくれるアイテムにもなってくれる。
価格は4950円。ミニカー単体で見れば決して安価とは言えないかもしれない。けれど、手に取った瞬間に伝わる完成度と、読み応えのある冊子がセットになっていることを考えれば、その価値は十分にある。なにより、このHKSスカイラインは、数あるスカイラインGT-Rのなかでも特別な、誇り高き1台なのだから。
■商品概要
KYOSHO Mini Car & Book No.25 HKS SKYLINE GT-R Gr.A 1993
□発売日: 2026年1月17日(土)
□販売: ファミリーマートの一部店舗
□価格: 4950円












































