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「ミラーが1個」だから価値がある!? フェラーリ初期型テスタロッサが約3425万円で落札!

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2025 Courtesy of RM Sotheby's

1年間で2度目のオークションに登壇したテスタロッサの成否やいかに…?

昨2025年12月、RMサザビーズ「Collectors’ Week Abu Dhabi 2025」オークションに出品されたフェラーリ・テスタロッサ「モノスペッキオ」、シャシーNo.#61337は、じつは2024年12月にも同じRMサザビーズの「Dubai」オークションに出品され、AMWオークションレビューでも取り上げたことがある個体そのものだった。

ル・マン24時間レースにおける活躍でも有名なフランス・パリのフェラーリ正規輸入代理店「シャルル・ポッツィ(Charles Pozzi)S.A.」社を介して、1985年12月に新車としてファーストオーナーに納車された左ハンドル仕様車である。

この時代のフェラーリではおなじみの赤「ロッソ・コルサ(Rosso Corsa)」のボディカラーに、「ペッレ・ベイジェ(Pelle Beige:ベージュ革)」の英国コノリー社製レザー内装というオーセンティックな仕立ては、新車時代から現在に至るまで維持されている。

近年で2度目の出品ながら、このシャシーNo.#61337の初期の歴史についてはあまり知られていない、という状況は現在も変わらず。ただ、2003年11月にドイツのザールブリュッケンにある「オートハウス・シュプラウ(Autohaus Sprau)」社によって、エンジンを降ろしてのフルサービスと、この時代のフェラーリでは必須のタイミングベルト交換が行われたことは、添付の請求書から判明しているという。

その後、このテスタロッサは2005年12月にフランスの著名なコレクター、故マルセル・プティジャンが購入。前世紀から自身の自動車ミュージアムを開設しようという野望を抱き、数多くのスーパーカーを蒐集していたプティジャンは、2022年2月までこのフェラーリを所有し続ける。

さらに、現オーナーのもとで中東に輸送されたこの個体は、シャシーとエンジンがマッチングナンバーを保持しているほか、純正ジャッキやスペアホイール、センターロックのハブボルトのための専用スパナ、純正ツールロールなども添付して出品された。

しかし、これまで大量に売りに出された「プティジャン・コレクション」のスーパーカーたちと同様、長らく室内で静態展示に供されていたことから、実際に走らせる前には再点検と再調整が必要との但し書きも、2024年12月の「Dubai(ドバイ)」オークションと変わらず。このときは16万ドル〜22万ドルというエスティメート(推定落札価格)に対して21万8500ドルで落札されている。

いっぽう、今回の「Collectors’ Week Abu Dhabi」オークションでは15万ドル〜20万ドル(邦貨換算約2340万円〜3120万円)と、前回のドバイに比べると若干控えめなエスティメートを設定していたが、実際の競売ではわずか250ドルながら前回を上まわる21万8750ドル。つまり、現在のレートで日本円に換算すれば約3425万円という、けっこうなハンマープライスが提示されることになった。

あと願わくば、このオークションの落札者がフェラーリに相応しい走行が可能な状態まで再点検と再調整を施し、今度こそ路上復帰を図っていただきたい……! このテスタロッサとは縁もゆかりもない筆者ながら、遠く日本からそう祈ってしまうのである。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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