英国で愛された45年間の履歴と波乱のオークション結果
昨2025年末のボナムズ「The Bond Street Sale:Important Collectors’ Motor Cars and Automobilia」オークションに出品されたランボルギーニ ハラマSは、マニュアルトランスミッション+左ハンドル仕様車。1973年にサンタ・アガータ・ボロニェーゼ工場から送り出され、1980年5月に、5万7000キロを走行した段階で、今回のオークション出品者でもある現オーナーの手元にやってきた。
それ以前の所有者として記録されているのは、英国の石油・潤滑油製造会社の「バーマ・カストロール」社。そののち、英国チェシャー州ナッツフォードのディーラー「ニック・シュリグリー=ファイグル」を介して6600ポンドで現オーナーの手にわたり、当時は「UCA 291V」のナンバープレートで登録されていた。
1980年代初頭にボディ色替えのための再塗装、ボディの軽微なリペア、インテリアの張り替え、新品カーペットへの施工が行われ、これらの作業に約6000ポンドが費やされたのち、1982年に「VF 25」というイギリスでは稀少性が高く価値のある、短いアルファベットと数字で組みあわされた特別公布ナンバープレートとともに登録された。
翌1983年、現オーナーは英国の航空機メーカー「BAC(British Aircraft Corporation)」勤務のため滞在していたサウジアラビアから帰国し、英国に永住権を取得。以降の定期メンテナンスはランカシャー州ライザムの「フェルディーズ・ガレージ」に委託され、1985年から2019年までの34年に渡る詳細な作業書が保管されている。
2005年には、走行距離6万7000kmの段階でクラッチアッセンブリーを新品へと交換。また直近の請求書は、2022年に同じくライザムの「モダン・クラシックス」社による新品タイヤとホイール修復(2600ポンド)に支払われたとある。現時点における最後の車検は2018年、走行距離6万8800km時に実施され、ボナムズ・オークション社の公式オークションカタログ作成時の走行距離は、6万9016kmと申告されていた。
さらに、オリジナルのセールスパンフレットや英国内での登録履歴を記した「V5C証明書」、1979年当時の走行距離計表示5万5000キロを記録したものも含む、多数の古いMoT車検証明書もドキュメントファイル内に保管されているとのこと。ただし、先述した特別登録された短いナンバープレート「VF 25」は、その稀少性から別売(!)との由であった。
ボナムズ社では、今回の出品にあたって9万ポンド~12万ポンド(邦貨換算約1908万円〜2544万円)という、現在の市場におけるハラマの評価を熟慮したと思われるエスティメート(推定落札価格)を設定した。ところが2025年12月11日、同社がロンドン市内ニュー・ボンドストリートに構える「ボナムズ・ショーケース」で行われた競売では、エスティメート下限を大きく割り込む7万8200ポンド、現在のレートで日本円に換算すれば約1650万円という、売り手にとってはいささか残念、落札者にとってはリーズナブルと言えるハンマープライスで落札に至ったのだ。この値付け、貴方ならどう思っただろうか。
※為替レートは1ポンド=212円(2025年12月11日時点)で換算















































