クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CLASSIC
  • 北米限定300台「アンドレッティ仕様」のアルファ ロメオ「アルフェッタGT」の魅力
CLASSIC
share:

北米限定300台「アンドレッティ仕様」のアルファ ロメオ「アルフェッタGT」の魅力

投稿日:

TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: Bonhams

アリゾナの乾いた風が守った奇跡の個体
伝説の王者の名に恥じないコンディション

ボナムズ「Scottsdale 2026」オークションに出品されたアルフェッタGTは、1976年8月にミラノ近郊の工場からラインオフした米国仕様車である。

ボディカラーは「ロッソ・アルファ」、内装はブラックのビニールレザーというイタリアブランドらしい典型的な色の組み合わせとなっている。

ダッシュボードの銘板によると、この車両は北米限定で300台が販売された「マリオ・アンドレッティ・リミテッドエディション」の212号車と思われる。そもそもマリオ・アンドレッティはアメリカNASCARの最高峰であるデイトナ500を1967年に制し、1969年にインディ500で優勝、インディシリーズ4度のチャンピオンを経験したオールマイティドライバー。実なこの限定車が出た2年後の1978年には
ロータスでF1の世界チャンピオンにも輝いている伝説のドライバーだ。その伝説のドライバーの名を冠した限定版の特徴である三色旗モチーフのサイドストライプも確認できる。ただし、ボナムズ社のカタログ作成時点ではその真偽について確認できなかったことが、正直に申告されていた。

カタログ写真の撮影時点で、オドメーターが指していた走行距離はわずか2万2684マイル(約3万6300km )。乾燥したアリゾナ州の地で多くの時間を過ごしてきたせいかボディコンディションは非常に良い。オリジナルに近い状態からも、その走行距離は真実であると推測されている。

また、当初は北米仕様のデフォルトに従い「スピカ」社製の燃料噴射装置を搭載していたが、いずれかの段階で欧州仕様と同じ「ウェーバー」社製キャブレターに換装されている。スピカ製は現在ではパーツの手配が極めて困難なため、ランニングコンディションを維持するためにはこの気化器への換装はもっとも賢明な判断と言えるだろう。

そのほかの特徴としては、純正のウッドリムつきステアリングホイールやバケットシート、スタイリッシュなカンパニョーロ製アルミホイール、5速マニュアルトランスミッション、エアコンなどが挙げられる。

アルフィスタが狙える4発アルフェッタ
いい個体は待った無しで狙いたい名車!

今回のオークションに際して、ボナムズ社は1万ドル〜2万ドル(邦貨換算156万〜313万円)という少々悲観的なエスティメート(推定落札価格)を設定。その上で、最低落札価格を設定しない「リザーヴなし」で出品した。このスタイルは、金額を問わず確実に落札される。とくに人気モデルでは会場が盛り上がり、入札が進むことも期待できるが、安値で落札されてしまうリスクも持ち合わせる。

迎えた競売ではリザーヴなしのメリットが生かされたのか2万160ドル、日本円にして約315万円という上限を上回る価格でハンマーが振られた。1980年になると、アルフェッタGT系は大規模マイナーチェンジを受け、車名から「アルフェッタ」の文字が消え単に「アルファ ロメオGTV」となる。この時代になるとボディパネルに亜鉛メッキ鋼板が使用され、錆の問題は概ね解決に向かうことになった。

マイナーチェンジ後のGTV、とくにV6エンジン搭載モデル「GTV6」は、現在マーケット価値が急上昇している。しかし、4気筒モデルならば依然としてリーズナブルな売り物も見つけられるようだ。ただ、この時代の4気筒GTVが日本国内に出回る機会は極めて少ない。輸入するにも手間や経費がかさみ、登録には排出ガス試験が必要な年式となる。

もしも国内で錆のない個体に運よく出会えたならば、アルフィスタは早々の決断を強いられることになるに違いない。

※為替レートは1ドル=156円(2026年2月25日時点)で換算
(Fact Check:山本 亨)

12
すべて表示
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
著者一覧 >

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS