ワイドホイールを収納するフレアフェンダーとフラッグシップモデルのシート、さらにAC&PWも装備!
今回RMサザビーズ「MIAMI 2026」オークションに出品されたディーノ246GTSは、生産終了前の最後の8カ月間に製作された。1973年12月3日に完成した、希少かつ魅力的なピッコロフェラーリである。
「ロッソ・キアーロ(明るい赤)」のボディカラーと「ネロ(黒)」のレザー内装でスカリエッティ工場からラインオフされた。カナダ市場向けの左ハンドル仕様である。豪奢なデイトナシートに加え、カンパニョーロ製マグネシューム7.5J(ノーマルはクロモドラ製アルミホイール6.5J)というワイドホイールを収めるためのフェンダーフレアが装備されていた。
これは最後期のモデルに設定された、極めて希少かつ人気の高いオプション仕様の証だ。さらに、同じくオプションだったエアコンとパワーウインドウも工場出荷時から追加装備されている。
この個体は新車時、オンタリオ州のディーラーに引き渡された。1974年初頭に初代カナダ人オーナーのもとで初登録されている。1987年にはブリティッシュコロンビア州の別オーナーへ譲られ、当時の走行距離は約3万1000マイルと記録されていた。
静態保存から動態保存にするため大掛かりなレストアを施工し、その希少性と相まって驚愕の落札額に!
数年後、このクルマはアメリカ合衆国へ輸出される。1996年にロサンゼルスのコレクターへ売却され、インテリアをタン色のレザーで再仕上げする修復が行われた。いくつかのコンクール・デレガンスへの出品を経て、10年間にわたり個人コレクションに収蔵されている。
現在の所有者は2016年に入手した。それまで静態保管されていたため、約1万2000ドルを投じてブレーキやステアリングラックなどの機械的改修が施されている。今回の販売には、革製ポーチ付きのマニュアルや純正工具、整備明細書などのドキュメント類も含まれていた。
RMサザビーズ北米本社は、この個体に80万ドル〜90万ドル(邦貨換算約1億2800万円〜約1億4130万円)のエスティメート(推定落札価格)を設定した。
迎えた競売では、エスティメート下限にわずかに届かない79万7000ドルでハンマーが落とされた。日本円に換算して約1億2750万円という販売価格は、やはり驚きに値する。
国際クラシックカーマーケットにおける「チェア&フレア」仕様の相場は、2020年代初頭に50万ドル超えを果たした。そして2020年代中盤以降は70万〜80万ドル超えとなり、日本円でも「億超え」が当たり前のようになっている。
デイトナから流用されたシート、カンパニョーロ製マグネシウム7.5Jホイールといった2つの特別要素を兼ね備えた最後期モデルとあって、その希少性からも今回のディールが、強気な相場感を裏づけた結果となった。
※為替レートは1ドル=160円(2026年3月28日時点)で換算































































































