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ワークスパーツで再現! レジェンドが組んだブルムス・ポルシェ 911RSRクローンが約4214万円で落札

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TEXT: 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)  PHOTO: 2026 Courtesy of Broad Arrow  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

ワークスパーツで蘇る1974年仕様「ブルモスRSR」のクローン車両が辿った、もう一つの栄光の物語

キューバ生まれのレーシングドライバーであるディエゴ フェブレスは、ピーター グレッグと親密な関係にあり、キューバを追放された後はプエルトリコの国旗を背負って長年レースを続けた。ブルモスワークスのマシンを駆る彼は、1977年のセブリング12時間レースで総合2位、1978年のデイトナ24時間レースではGTOクラスでクラス優勝を遂げた。ちなみにこのレースでは、ピーター グレッグが総合優勝を飾っている。

2002年、そんなフェブレスの集大成として、彼自身がドライブしたRSRのクローンを制作することになる。1975年式「ポルシェ 911S」をベースに、彼がIMSAでドライブしたブルモス ポルシェを再現したのだ。制作にあたっては、フェブレス自身が収集したツッフェンハウゼンのポルシェワークスで開発された純正パーツが惜しみなく使われ、1974年仕様のプライベーター仕様RSRへと仕立て上げられている。

完成後、彼自身のドライブによって、プエルトリコで開催された「トレス オラス デ サリナス」でクラス優勝を果たし、その後も3つのローカルレースに参戦している。2005年にこのクルマでセブリング インターナショナル レースウェイのHSR耐久レースに出場した後、グンナー レーシングのケヴィン ジャネットへと売却した。そして2008年から2016年にかけて、グンナーのエンジニアによって完璧なレストレーションが施されている。

ポルシェのワークスパーツで究極のRSR復活。4200万円超で落札された「ブルモス」の血統を継ぐレジェンドマシンの価値

それは1975年仕様のファクトリースペックのRSRに戻すことで、エンジンはグンナー レーシングによって仕上げられた機械式スライドインジェクション仕様の3.2Lに改められた。トランスミッションは、これもグンナー レーシングが仕上げた新しい915タイプを装備する。アクスルやCVジョイントは新品に交換。ブレーキやリアサスペンションなども、すべて新品に交換もしくはフルレストアされた。レストア後はモントレー ヒストリック レースや、デイトナのロレックス24ヘリテージ エキシビションなどにも出場している。

そして再びブルモスカラーに戻されて、現在に至っている。シャシーナンバーは「9115200175」。このナンバー自体は大きな意味を持たないが、使われているパーツなどはすべてワークスポルシェのそれであり、1970年代のブルモス ポルシェが完璧に再現されているのだ。オークションにおける予想落札価格は25万から35万ドル(邦貨換算約3950万円から5530万円)だという。実際には26万5000ドル(邦貨換算約4187万円)で落札された。

オリジナルのワークスマシンではないものの、当時を知るレジェンドドライバーの手で組まれ、名門ファクトリーの手で究極のレストアを受けたこのRSRトリビュート。その凄まじいヒストリーを知れば、約4214万円という落札価格も決して高すぎることはないだろう。スロットカーのコースを飛び出し、本物のサーキットで再びそのエキゾーストノートを轟かせてほしい1台である。

※為替レートは1ドル=約158円(2026年4月27日時点)で換算

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  • 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)
  • 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)
  • 幼いころからクルマに興味を持ち、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾る。 大学在学中からレースに携わり、ノバエンジニアリングの見習いメカニックとして働き、現在はレジェンドドライバーとなった桑島正美選手を担当。同時にスーパーカーブーム前夜の並行輸入業者でフェラーリ、ランボルギーニなどのスーパーカーに触れる。新車のディーノ246GTやフェラーリ365GTC4、あるいはマセラティ・ギブリなどの試乗体験は大きな財産。その後渡独。ジャーナリスト活動はドイツ在留時代の1977年に、フランクフルトモーターショーの取材をしたのが始まり。1978年帰国。当初よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動し、すでに45年の活動歴を持つ。著書に三栄書房、カースタイリング編集室刊「世界の自動車博物館」シリーズがある。 現在AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)及び自動車技術会のメンバーとして、雑誌、ネットメディアなどで執筆する傍ら、東京モーターショーガイドツアーなどで、一般向けの講習活動に従事する。このほか、テレビ東京の番組「開運なんでも鑑定団」で自動車関連出品の鑑定士としても活躍中である。また、ジャーナリスト活動の経験を活かし、安全運転マナーの向上を促進するため、株式会社ショーファーデプトを設立。主として事業者や特にマナーを重視する運転者に対する講習も行っている。
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  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 1960 年生まれ 大学卒業後ベストカーガイド編集部勤務。1990年オートスポーツ誌に転職、1992年F1速報誌(アズエフ)編集長。1995年月刊ビデオマガジン編集部に転職、1996年ベストモータリング編集長(のち局長兼務)。2005年ネコパブリッシング・イベント本部長/4輪編集局長兼務。2015年交通タイムス社に転籍、2020年より現職(総編集局長)自動車の分野に問わずオールマイティだが、特に旧いモータースポーツとクラシックカーに造詣が深い。愛車は1969年DATSUN Fairlady SRL311/YAMAHA RD250ほか

 

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