実戦未投入のスペアカーでありながら7億円超えで落札
ほか4台の642とともにチームカーとしては退役したのち、このシャシーNo.125はしばらく表舞台から消える。しかし、2012年9月には「フェラーリ・クラシケ(フェラーリ公式のクラシックカー認定部門)」の認証検査を受けた。車両に添えられた「レッドブック」には、このマシンのヒストリーにくわえ、オリジナルのシャシーとボディカウルが維持されていることが記録されている。
また、規定どおりの仕様であるエンジン(No.91)と7速セミオートマチック・ギアボックス(No.27)が今なお搭載されていることも、レッドブックで確認されている。
ほかにも、当時の日付入り「スケドーニ」社製のプロスト用レースシートインサートやスペアのリアウィング(レースナンバー「27」入り)、さらにフロントおよびリアジャッキ、専用エンジンスターター、「OMP」社製タイヤウォーミングシステムおよびブランケットなども付属している。

さらには「スピードライン」社製ホイールつきの「エイヴォン」タイヤ1セット、「グッドイヤー・イーグル」タイヤ1セットからなる2セットのフルサイズタイヤにくわえ、車両の操作性と輸送性を高めるために使用された、ナローゲージのグッドイヤー社製タイヤ1セットも付属している。
ただしこのマシンを再びサーキットへと戻すならば、その前に「フェラーリ F1 クリエンティ(顧客向けのF1走行プログラム)」部門の全面的な点検と、安全装置の更新を行うことを推奨するとの由であった。
RMサザビーズ欧州本社は、自社の公式オークションカタログ内で「F1の歴史においてもっとも響き渡るV12パワートレインのひとつを搭載するこの美しい642は、新オーナーが自然吸気エンジンのシンフォニーを存分に楽しむことができます。また、数多くのコンクール・デレガンス(クラシックカーの優美さを競う品評会)やイベントでの目玉展示となるだけでなく、あらゆるモータースポーツ・コレクションにおいても貴重な一品となるでしょう」と謳い、300万ユーロ〜400万ユーロ(邦貨換算約5億5500万円〜7億4000万円)のエスティメート(推定落札価格)を設定した。
そして世界のファン注視のなかで行われた競売では、エスティメートの範囲内に収まる383万ユーロ、日本円に換算すると約7億790万円で落札されることになった。
このハンマープライスでも驚くに値するものではあるのだが、もしも現役時代にレースカーとして走行したマシンならば、もっと高値がついたかもしれないかと考えると、やはり現在の国際コレクターズカーマーケットには感嘆を禁じえないのである。
※為替レートは1ユーロ=185円で2026年5月30日時点のレート換算
























































































