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アラン・プロストの王座奪還を託されたフェラーリ「642」がモナコのオークションに登場! 実践ゼロのスペアカーが7億円超えで落札!

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2026 Courtesy of RM Sotheby's  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

実戦未投入のスペアカーでありながら7億円超えで落札

ほか4台の642とともにチームカーとしては退役したのち、このシャシーNo.125はしばらく表舞台から消える。しかし、2012年9月には「フェラーリ・クラシケ(フェラーリ公式のクラシックカー認定部門)」の認証検査を受けた。車両に添えられた「レッドブック」には、このマシンのヒストリーにくわえ、オリジナルのシャシーとボディカウルが維持されていることが記録されている。

また、規定どおりの仕様であるエンジン(No.91)と7速セミオートマチック・ギアボックス(No.27)が今なお搭載されていることも、レッドブックで確認されている。

ほかにも、当時の日付入り「スケドーニ」社製のプロスト用レースシートインサートやスペアのリアウィング(レースナンバー「27」入り)、さらにフロントおよびリアジャッキ、専用エンジンスターター、「OMP」社製タイヤウォーミングシステムおよびブランケットなども付属している。

さらには「スピードライン」社製ホイールつきの「エイヴォン」タイヤ1セット、「グッドイヤー・イーグル」タイヤ1セットからなる2セットのフルサイズタイヤにくわえ、車両の操作性と輸送性を高めるために使用された、ナローゲージのグッドイヤー社製タイヤ1セットも付属している。

ただしこのマシンを再びサーキットへと戻すならば、その前に「フェラーリ F1 クリエンティ(顧客向けのF1走行プログラム)」部門の全面的な点検と、安全装置の更新を行うことを推奨するとの由であった。

RMサザビーズ欧州本社は、自社の公式オークションカタログ内で「F1の歴史においてもっとも響き渡るV12パワートレインのひとつを搭載するこの美しい642は、新オーナーが自然吸気エンジンのシンフォニーを存分に楽しむことができます。また、数多くのコンクール・デレガンス(クラシックカーの優美さを競う品評会)やイベントでの目玉展示となるだけでなく、あらゆるモータースポーツ・コレクションにおいても貴重な一品となるでしょう」と謳い、300万ユーロ〜400万ユーロ(邦貨換算約5億5500万円〜7億4000万円)のエスティメート(推定落札価格)を設定した。

そして世界のファン注視のなかで行われた競売では、エスティメートの範囲内に収まる383万ユーロ、日本円に換算すると約7億790万円で落札されることになった。

このハンマープライスでも驚くに値するものではあるのだが、もしも現役時代にレースカーとして走行したマシンならば、もっと高値がついたかもしれないかと考えると、やはり現在の国際コレクターズカーマーケットには感嘆を禁じえないのである。

※為替レートは1ユーロ=185円で2026年5月30日時点のレート換算

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 1960 年生まれ 大学卒業後ベストカーガイド編集部勤務。1990年オートスポーツ誌に転職、1992年F1速報誌(アズエフ)編集長。1995年月刊ビデオマガジン編集部に転職、1996年ベストモータリング編集長(のち局長兼務)。2005年ネコパブリッシング・イベント本部長/4輪編集局長兼務。2015年交通タイムス社に転籍、2020年より現職(総編集局長)自動車の分野に問わずオールマイティだが、特に旧いモータースポーツとクラシックカーに造詣が深い。愛車は1969年DATSUN Fairlady SRL311/YAMAHA RD250ほか

 

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