MRを捨てFR回帰したV12熟成2シーター! 575Mマラネロの落札価格は真の価値なのか!?
フェラーリのV12モデルにおける歴史的転換点をご存知でしょうか。1996年、フェラーリは至高のミッドシップレイアウトを捨て、伝統のFRへと回帰しました。その正常進化版として2002年に登場したのが「575Mマラネロ」です。最高速325km/hを誇る新世代の12気筒2シーターが、パリのオークションに登場。走行約3.3万kmの極上車の落札価格と、FR回帰の意外な理由に迫ります。
狭くて熱くトリッキーなV12気筒MRからの脱却デメリットを克服しFR回帰を決断したフェラーリ
フェラーリが12気筒2シーターモデルの基本設計レイアウトをMRから、再びFRへと回帰させたのは1996年に発表された「550マラネロ」でのことだった。
それまで「365GT4 BB」、「512 BB」、「512 BBi」、そして「テスタロッサ」、「512 TR」、「F512 M」と、23年間にわたり進化を続けてきた180度V型12気筒エンジンを搭載する一連のフェラーリ・ミッドシップ シリーズである
12気筒をミドシップに積むレイアウトは、F1譲りの記号性としては最高でしたが、市販車としてはデメリットが顕著になっていた。エンジンが背後にあるため、キャビンは狭く、熱気がこもりやすく、荷物置き場もほぼ皆無。さらに大パワーでエンジン自体も大きな12気筒を中央に置くMRは、限界を超えた際の挙動が極めてピーキーだった。このミドシップのデメリットを克服することが、次なる12気筒エンジン搭載車両の絶対命題だった。
そして新世代の12気筒2シーター、すなわち550マラネロの駆動レイアウトをFRとして設計することを決断したのだ。
自信のFRベルリネッタをビッグマイナーチェンジ
熟成のステップを遂げ完成形の575Mマラネロ!
ここで紹介する「575Mマラネロ」は、その550マラネロのデビューから6年後となる2002年に発表された、正常進化モデルとなる。
フェラーリにとって550マラネロに与えられた6年間というライフスパンは非常に長いもので、この間に細かい設計変更は行われてきたものの、ニュースリリースが発信されるような話題といえば、よりコーナリング性能を高めるためのFHP(フィオラノ ハンドリング パッケージ)がオプション設定されたことや、ピニンファリーナの創業70周年を記念してオープンモデルの「550バルケッタ ピニンファリーナ」が、550マラネロをベースに448台製作されるといった程度のものであった。
それだけに車名に掲げられる数字も575へと変化し、それに続いてモディファイドを意味するMの文字も添えられた、ビッグマイナーチェンジ版の「575Mマラネロ」の誕生には、世界中が熱く注目したのである。フェラーリ社が、FRベルリネッタという新たな正解に自信を持ち、その完成度をさらに引き上げた「熟成のステップ」こそが575Mマラネロと言える。




































































































