純正のスタイル守りながら中身を刷新。120系クラウンに宿ったオーナーの愛とこだわり
アメリカで「アップデートカスタム」と呼ばれる、外観を純正のまま保ちながら足回りや駆動系を刷新する手法がある。今回紹介するのは、その手法をトヨタ120系クラウンで実践した一台だ。エンジンスワップに純正ベースのワンオフホイールまで、オーナーのクラウン愛と努力が随所に光る。
驚くほど美しい状態で佇む120系クラウン。しかし中身は別物だった
ハチマルミーティングの主役となる1980年代のクルマは、最も新しい1989年式(平成元年式)でもすでに35年以上が経過している。ネオクラシックと呼ばれたのはひと昔前の話。すでに立派なクラシックモデルと言っていいだろう。
今回紹介するクラウンは、驚くほどピカピカな状態が目立っていた一台だ。オーナーの飯尾さんに詳細を伺ってみると、美しいだけでなく、各部に手が入ったショーカー顔負けの一台であることが徐々にわかってくる。
「このクルマは1986年式のクラウンロイヤルサルーンGです。今から18年前に手に入れました。その後しばらくはそのまま乗っていたんですが、今から9年ほど前にエンジンを100系チェイサーの1JZと5速マニュアルにスワップしています」
1JZターボへのエンジンスワップ。配管はすべてワンオフで製作
クラウンは1955年のデビュー以来、16代も続くトヨタが誇る高級乗用車だ。歴代のモデルは日本の世相を反映してきた。飯尾さんが所有しているのは、今でも有名な「いつかはクラウン」のキャッチフレーズを生んだ7代目の120系モデルで、ロイヤルサルーンGは最上級グレードとなる。
1986年モデルには直列6気筒の6M-GEU型エンジン(排気量2.8リッター)が搭載されている。
120系クラウンは元々直列6気筒エンジンを搭載しているため、1JZエンジンへの換装は大きなトラブルなく収まっているようだ。しかし問題はターボやインタークーラーなどの配管だ。アルミパイプはワンオフで製作しているほか、エアクリーナーもこの車両に合わせて作り直している。純正然と収まっているが、エンジンルームはぎりぎりの状態だ。
純正のディスクを流用した新発想のカスタムホイール!
このクルマの見どころはエンジンスワップだけではない。ホイールにも凝ったカスタムが施されている。純正の14インチホイールのディスク部分のみを流用し、新たにリメイクして製作した17インチホイール。フロントは9.5J、リアは10.5Jとなっている。

アメリカでは純正ホイールのデザインを踏襲した大径サイズの社外ホイールがリリースされているが、それをワンオフで実現してしまったのだ。
ボディは基本的にストックのままで、フェンダーアーチモールすら外されていない極上の状態だ。あえてノーマルを維持したボディを残しながら、見えない部分をアップデートする手法は、アメリカ車カスタムの世界では「アップデートカスタム」と呼ばれる定番の考え方。このクルマはその手法をクラウンで実践した意欲作と言える。
なお、エンジン換装にともなって排気量が2.5リッターとなったため、各部のバッジも「2.5」に変更されているのも面白いポイントだ。恐ろしいほど完成度が高く純正然としているため、言われなければ気がつかないのだが……。








































