学生時代に購入したスバル「サンバー ディアスII」を20年以上DIYで維持しながら乗り続ける
なぜトラブル続きの古い軽自動車を20年以上も手放さないのか。学生のころに1990年式のスバル「サンバー ディアスII」を買い、いまも乗りつづける“室蘭”さんに取材した。エンジンを2基積み替え、エアコンは2度目の不調を抱える。それでも降りない理由は、改造ではなく日々の修理で車と向き合う姿勢にあった。
学生時代に買った1990年式スバル「サンバー ディアスII」を20年所有!
なぜ20年以上も所有しつづけるのか。この素直な疑問に対する答えは、「ほかに乗りたい車がないから」だという。オーナーの“室蘭”さんは、学生のころに1990年式のスバル「サンバー ディアスII」を購入し、20年以上にわたって所有している。所有期間中にエンジンを2基積み替え、現在もエアコンの不調を2度目として抱える。それなりにトラブルへ見舞われてきた。それでも降りない理由を、“室蘭”さんはこう語る。
「何で乗ってるんですかね。本当、壊れた時も“いい加減捨ててやろうか”と思うんだけど、他に乗りたいクルマもないしな、つって。他にデリカも持ってますけど、一人で寝るんだったらこれで十分ですからね。あと軽自動車は安いんでね、高速代が。うるさいし、遅いし、走らないし、止まらないし、曲がらないけど、乗っちゃってるんですよね、何故か。いい加減やめりゃあいいのに、と思うんですけどね」。短所を並べながら、結局は手放さない。その距離感に、長く付き合ったクルマとの関係性がにじむ。
シフトレバーに自転車のブレーキレバー! 左手でアクセルを操る理由とは
自転車のブレーキレバーの取り付けの目的は、長距離での足の負担を減らすことにある。“室蘭”さんのサンバーは、後部のシートを取り外して板を張り、その上に絨毯を敷いた車中泊仕様だ。このクルマで山などへ出かけることが多いという。ほかにも追加メーターとして電圧計・電流計・バキューム計、純正の傾斜計、時計・湿度計、タブレットなどをセットし、内装も自身で張り替えている。なかでも目を引くのが、シフトレバーに取り付けられた自転車のブレーキレバーだ。これは何なのだろうか?

「自転車のブレーキ(レバー)から、アクセルペダルのところまでワイヤーで繋がってるんです。なので左手で、アクセル操作ができてヒール&トゥもできちゃう。サンバーってヒール&トゥが足だと無理なんですよね。あと長距離を乗ってると足首が辛くなるんです。長距離の時はアクセルをずっと踏んでられないんで、ほぼ手ですね。街中だと足の方が楽ですけど。高速道路だともう握りっぱなしですね」。市販パーツに頼らず、自分の使い方に合わせて操作系まで作り替える。そこに“室蘭”さんの流儀がある。
手持ちの部品と知恵で乗り切る! 30年落ちを20年間も維持してきた秘訣とは?
30年以上が経過したサンバー、パーツ供給はどうなっているのか? その問いに「困っていない」という答えが返ってきた。“室蘭”さんはアクセルレバー以外にも、ここでは書ききれないほどの装備をDIY(自分で作業すること)で取り付けてきた。自身で作業を行うからこそ、過去には修理のために5年間ほど乗れない時期もあったという。それでも20年以上、サンバーを所有しつづけている。1990年式とすでに30年以上が経過した車だ。パーツ供給の事情を聞いた。
「エアコンのエキスパンションバルブ(カーエアコン内を流れる冷媒の量を調整し、高圧の冷媒を一気に減圧する部品)が詰まってるらしんですけど、バルブだけまだ部品出るみたいなんですよね。その他も、部品がなくて困ってるっていうのはないですね。大体、適当なあり合わせでなんとかしちゃうんで」。あり合わせで対応する姿勢で、古い車を生かしつづけているのが面白い。今後については、壊れたO2センサー(排気ガス中の酸素濃度を検知し、燃料噴射量を最適化して燃費や排出ガス性能を維持するためのセンサー)と、温度センサーが固着して取れなくなっているエキゾーストマニホールドを交換したいという。あわせて、すでに購入しているというクラシックのフェイスへ変更することも考えているそうだ。
うるさく、遅く、止まらないと言いながら、“室蘭”さんはサンバーを直しつづけ、自分の手で使いやすい一台に育ててきた。完璧な車を求めるのではなく、不便さも含めて付き合っていく。その姿勢こそが、20年以上という時間を支えてきた。フルレストアでも華やかなカスタムでもない、生活に根ざした手仕事の積み重ねが、一台の軽自動車を唯一無二の相棒に変えている。




































