日産E51「エルグランド」熱狂時代のラグジュアリーカスタマイズ
今夏にも新型の日産「エルグランド」が登場する…。そんな期待が高まる今だからこそ、もう一度振り返りたいのがE51型が主役だったカスタムシーンだ。全国のイベント会場では「いかに目立つか」がカスタムの大きなテーマだった。 今回紹介するこの日産 E51型エルグランド(2010年撮影)も、まさにそんな時代を象徴する1台だ。ドレスアップコンテスト系イベントで勝つためのアイデアを細部まで詰め込んだ、完成度の高いカスタマイズカーである。
存在感を極めるために選んだ大人のブラウンパールだ
ベースとなった日産 エルグランドは、もともと押し出し感の強い堂々たるボディを持つラージミニバンである。その迫力をさらに際立たせるため、フロントとサイドにはスピリッツ製エアロをベースに加工を施し、リアバンパーにはエクスクルーシブゼウス製を加工して装着した。さらに存在感抜群のリアウイングまで組み合わせる。大型のバンパーはボディサイズ以上の伸びやかさとダイナミックさを付与。どこから見ても迫力あるシルエットを作り上げている。
しかし、このクルマの面白いところは、エアロの迫力だけに頼っていないことだ。
ボディカラーはブラウンパールへとオールペン(全塗装)。派手なエアロで武装しながらも、大人っぽく上質な雰囲気を漂わせることで、ラグジュアリー感を高めている。
足まわりには21インチ×9J のマーテル デビアスをセットした。張り出し感の強いエアロに対し、あえてラグジュアリーテイストのホイールを合わせることで絶妙なギャップを演出している。255/30R21サイズのピレリ「P-ZEROネロ」とエアコブラ製エアサスとの組み合わせによって、イベント会場では圧巻のローフォルムを披露した。
細かなディテールにも抜かりはない。比較的大きく開けたフェンダーダクトにはパンチングメタルを張り、その奥へLEDをインストールしている。夜になると幻想的な光がフェンダー内部からあふれ出し、ナイトイベントでも強烈なインパクトを放つ。
フロントグリルやアイラインは、リアバンパーと同じエクスクルーシブゼウス製、ボンネットスポイラーはファブレス製を装着。フォグランプには日産「ティアナ」の純正品を加工流用するなど、純正流用も巧みに取り入れながらオリジナル性を強めて完成度を高めている。
エアロにモニターを埋め込むのはE51時代ならではの発想だ
イベント車両として最も印象的なのが、ボディ各部へ大胆に埋め込まれたモニターだ。サイドステップには複数の小型モニターを埋め込み、その間にはメッシュダクトとLEDを追加した。停車した瞬間からギャラリーの視線を引き寄せる、まさにイベント仕様らしい演出となっている。
さらにリアバンパーにもモニターをビルトイン。エアロ形状を崩さず自然に組み込むことを優先し、「アイデアで勝負する」というオリジナル派らしいセンスが光る。リアには存在感あるウイングを装着し、その奥のリアウインドウ越しには30インチモニターの映像がチラリとのぞく。すべてを見せるのではなく、あえて見せ過ぎない演出まで計算されているのがじつに面白い。マフラーもあえてレス加工とし、視線をエアロやモニターへ集中させるレイアウトとしているのも、このクルマならではの特徴だ。

40インチモニターが鎮座する圧巻のインテリアだ
インテリアへ目を向けると、その世界観はさらに濃密になる。車内全体はブルーとピンクのLEDでライトアップされ、幻想的な雰囲気を演出。ヘッドレストモニターやLEDに照らされたアンプも存在感を放ち、昼間とはまったく違う表情を見せる。
ラゲッジスペースは当時人気を集めたウォールスタイルで製作した。40インチ、30インチを中心に、11インチや2.5インチまで大小さまざまな液晶モニターをレイアウトし、ミニモニターやLEDをふんだんに組み合わせることでイベント映えする空間を完成させた。フロア部分にも工夫が凝らされる。
当初はフローリング仕様だったが、その後はブランド柄生地へ張り替え、さらにLEDホールを埋め込むことで華やかさをアップデートしている。リムジンシートから40インチモニターを眺めるという、まさにショーカー顔負けの贅沢な空間を実現している。
コンソールには11インチモニターを埋め込み、その周囲をモノグラムパターンでコーディネイト。フロントシートもベンチシート化され、ベレッツァ製シートカバーによって高級感を演出している。
さらに、リアガラスをAVメイクで塞いだことから、フロントウインドウ上部まで大胆にAVメイクを施工した。ルームミラーまで取り払う徹底ぶりは、「ドレコンイベントで魅せる」ことを最優先に考えた1台であることを物語っている。 オーディオにはアルパインとロックフォードを組み合わせ、見た目だけでなくサウンド面でもイベントクオリティを追求した。

新型エルグランドにも受け継がれてほしい自由なカスタムだ
近年のミニバンカスタムは、純正デザインを生かしたシンプルなスタイルが人気を集めている。一方で、E51型が現役だった時代には、「どうすれば人の視線を集められるか」という発想から生まれた大胆なカスタマイズカーが数多く存在した。この日産 エルグランドも、その代表格と言える1台だ。しかもラグジュアリースタイルが人気カテゴリーとして流行した時代。
ブラウンパールによる大人の高級感と、クロームカラーのホイール、多数のモニター、高級感あるインテリアメイクなどはどれもラグジュアリースタイルとして盛り込まれていた要素だった。それに加えて、エアロにもモニターを埋め込み、幻想的なLED演出、そして40インチモニターを中心としたAVメイクなど独創的なアイデアのすべてが「ドレスアップカーイベントで埋もれない存在感」を追求した結果だった。
まもなく姿を現すと期待される新型の日産 エルグランドも、きっとカスタムユーザーを魅了するベース車になるはず。E51が築き上げた自由な発想と魅せるカスタムの文化は、エッセンスとして新たな世代へ受け継がれていけば最高だ。








































