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美しく静かなキャンプ場が天国から地獄へ! 西部劇のロケ地になった街並みを堪能した週末──米国放浪バンライフ:Vol.06

投稿日:

TEXT: 牧野森太郎  PHOTO: 牧野森太郎

西部劇のロケ地にもなった懐かしい街並み

 フレディパーク・キャンプグラウンドには、フックアップサイトとドライサイトがある。電気や水が取れるフックアップサイトは木陰の広々としたスペースだが、ただ止めるだけのドライサイトはリバーサイドだ。川のせせらぎが聞こえて気持ちがいい。川沿いのサイトはほとんどが予約で埋まっていたが、運よくぽつんとひとつだけ空いている。ぼくは迷わずそのスポットを取り、金曜、土曜と2泊することにした。

 チェックインしたサイトにクルマをセットして、町に出る。ミュージアムを訪ねると、19世紀半ばに鉱山で栄えた町であることが分かった。広場を中心にサルーン(バー)、宿、保安官事務所などが軒を連ねているのはその名残りで、懐かしさを感じた第一印象は間違えてなかった。

 また、20世紀半ばまでその町並みがそっくり残ったため、数多くの西部劇のロケ地となった。ジョン・ウェイン主演の『駅馬車』(1939年)はモニュメントバレーで撮影されたことが知られているが、一部はケーンビルでロケが行われたのだそうだ。

 現在は、かつての建物が観光客相手のアンティークショップやヒッピーショップ(もはや、これもアンティークか?)に改装され、クラシックな町に溶け込んでいる。

週末のキャンプ場はにぎやかなファミリー天国(地獄)に一変

 町歩きを堪能し、夕まづめにはトラウト釣りにも参加しすっかり満足して夜を迎えた。ところが、様子が一変したのは、翌朝8時だった。夜の間に続々とキャンパーがチェックインし、静かだったキャンプ場はファミリー天国に変貌してしまったのだ。

 右隣からはマリアッチ(メキシコの伝統的な音楽)、左隣からはなぜかレゲエが大音響で鳴りわたり、あちこちから発電機のノイズが地響きとなって伝わってくる。ヒスパニック系の子どもたちが大声を上げながら、ぼくのサイトを駆け回る。リバーサイドを予約していたのは、こういう連中だったのだ。もはや、川のせせらぎどころではない。

 どうにも我慢ができずにオフィスに駆け込み、「昨日は天国だったけど、今日は地獄だ」と訴えて、スポットの変更を頼みこむ。幸い、木陰のフックアップサイトが空いていた。電気も水も使わないことを条件に同じ料金で移動させてもらった。そして、翌朝、早々に荷物をまとめ、セコイア&キングスキャニオン国立公園を目指してエンジンを始動したのだった。

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  • 牧野森太郎
  • 牧野森太郎
  • アウトドア誌、ライフスタイル誌などの編集長を経験。2001年にアメリカでキャンピングカーを購入して以来、国立公園を訪ねることをライフワークとする。著書に『アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅』『自分自身を生きるには 森の聖人ソローとミューアの言葉』(ともに産業編集センター)がある。カリフォルニア州シェラネバダ山脈のジョン・ミューア・トレイルを計30日かけて踏破したレポートがデルタ航空機内誌「sky」に掲載され、カリフォルニア観光局のメディア・アンバサダー最優秀賞を受賞。
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