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ようやく車検証をゲット! 90年前のクルマをレストアしている青年にも出会えました──米国放浪バンライフ:Vol.12

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TEXT: 牧野森太郎  PHOTO: 牧野森太郎

キャンパー「ドル」のオーバーヒート問題は……

 オーバーヒート対策をなんとかしようと、ナネッタが今度はサンタローザのとある修理工場の予約を取ってくれた。頑固そうなベテラン・メカニックが、言葉少なに症状をヒアリングしては短いメモを取る。

 翌日、電話で知らされた提案は、ラジエターを新品に換える、というものだった。「ハイラックス」をベースにしたキャンパーの「ドル」にぴったりの、良いラジエターの在庫があるという。見積もりは1300ドルだった。判断に迷った末、トーランスでクルマを見てもらった(Vol.03参照)、I.P.M.のTOYAMAさんに電話をしてみた。すると、「下り坂では水温が下がるんでしょ。問題はラジエターじゃないですよ。やっぱりサーモスタットを外すのが一番ですよ」との明確な回答をいただいた。

 ラジエター交換はやめてサーモスタットの件をユナイテッドに相談すると、「それはイリーガルだ」とそっけない。たしかに、違法改造で乗るのも何かあったときにマズいかも。結局、気になっていたプラグとプラグワイヤーの交換だけを頼むことにした。代金は140ドルだった。

ヒッチコック『鳥』の舞台となったボデガ・ベイ

 昨年他界したモータージャーナリスト・デビッドを通じて知り合った友人に再会しているうちに、気がつくと4泊もしてしまった。4日目にはナネッタがボデガ・ベイからアームストロング・レッドウッド・ステート・ナチュラル・リザーブという公園へのドライブに連れていってくれた。

 ボデガ・ベイと聞いてヒッチコックの映画『鳥』と答えれば、かなりのヒッチ・ファンだ。映画の舞台となった小学校や港のマーケット(じつは内陸にあってビックリ!)を訪ね、サーフポイントとして知られる海岸を散歩した。北カリフォルニアのサーフシーンは、陽気なイメージの南カリフォルニアと比べてストイック。この日も霧が出る海岸で静かに波を待つサーファーの姿があった。

 アームストロング公園は、開拓の指揮をとるために東部から赴任したアームストロング大佐が、このままでは林業がレッドウッドの森を全滅させてしまうと憂い、私財を投げ打って保護した私有地。今は州の管理のもと、トレイルが整備され多くの人が散策を楽しんでいる。巨大な「アームストロングの木」は圧巻。立派な先人たちのおかげで自然は生き残っているのだ。

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  • 牧野森太郎
  • 牧野森太郎
  • アウトドア誌、ライフスタイル誌などの編集長を経験。2001年にアメリカでキャンピングカーを購入して以来、国立公園を訪ねることをライフワークとする。著書に『アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅』『自分自身を生きるには 森の聖人ソローとミューアの言葉』(ともに産業編集センター)がある。カリフォルニア州シェラネバダ山脈のジョン・ミューア・トレイルを計30日かけて踏破したレポートがデルタ航空機内誌「sky」に掲載され、カリフォルニア観光局のメディア・アンバサダー最優秀賞を受賞。
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