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日産R32「スカイラインGT-R」がグループA終焉後に歩んだ道とは? 「スーパーGT」の前身での活躍でした【JGTCマシン列伝】

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TEXT: 皆越 和也  PHOTO: 増田貴広/日産自動車

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  • JSSと混走した93年のGT選手権
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  • 95年のカルソニックスカイライン

90年代前半に人気カテゴリーが続々終了した

 1990年代初頭、「JAF国内競技車両規則」のプロダクションカー規定に、N1、N2に続きN3という車両規定が掲載された。N2車両よりも改造範囲が広く、大型オーバーフェンダーがかつてのシルエットフォーミュラを連想させ、速いマシンの登場を期待させた。

 同じころ、国際的な車両規定に大きな変化の流れがあった。グループC規定で争われていたスポーツカーはF1と同じNA 3.5Lエンジンを搭載することになり、経費高騰により衰退。全日本スポーツプロトタイプカー選手権(JSPC)は1992年で終焉を迎えた。

 またGT-R人気で盛り上がったグループA規定の全日本ツーリングカー選手権(JTC)も、1994年から英国ツーリングカー選手権(BTCC)で人気を集めたNA 2L 4ドアセダンを用いたスーパーツーリングカー規定のスプリントレースのJTCCとなり、1990〜93年にグループAで大活躍して絶大な人気を誇ったGT-Rの行き場がなくなった。

活躍の場が無くなったGT-Rにもう一度戦う場所を

 そこで日産/ニスモはN3規定をベースにしたGTレース開催をプッシュ。1993年には全日本GT選手権(JGTC)がスタートした。しかし、ほかのメーカーやプライベートチームは新シリーズの立ち上げには慎重となり、初年度に出場したGT規定の車両はGT1クラス(現在のGT500クラス)のGT-Rと、GT2クラス(現GT300クラス)のS13シルビアのみ。しかも予定された全9戦中わずか3戦しか開催されなかったが、これはこれでJAF規定により選手権として成立した。

JSSと混走した93年のGT選手権

 この1993年にデビューした唯一のGT1車両がR32 GT-Rで、もともとニスモがグループA車両として使用した車両(個体そのものは1992年スパ24時間参戦車)を改造したものだった。それまでGT規定なるものが存在しなかったために、「低コスト、チューニングカーレベル」で車両は製作された。

 担当したのは日産グループC監督も務めた岡 寛。前後に大型ブリスターフェンダー、フロントに大型エアダム、リアに大型ウイングを装着した「カルソニック GT-R」は、グループAの600psを日産工機がディチューンしたRB26DETTをエンジンルームの奥へ低く搭載。グループA時代の4WD駆動は残したままだった。車体は100mmワイドとなり、全高は50mm低くなった。そしてライバル不在の1993年は影山正彦が3戦全勝で初代王者に輝いた。

本格化した94年は後輪駆動化したマシンが登場

 1994年にはGTアソシエイションが立ち上げられ、本格的にJGTCがスタートした。第4戦SUGOからはトヨタ・スープラも参戦を開始。1994年モデルのR32 GT-Rは、グループA用車両からの転用ではなく、すべてホワイトボディから製作された。

「カルソニックスカイライン」は4WDのままとしたが、「ユニシアジェックススカイライン」と「ZEXELスカイライン」はFRの2輪駆動とした。これによりトランスファーやフロントのドライブシャフトなどが不要となり40〜50kgほど軽量化され、フロントヘビーが解消された。さらに4WD車の40kgハンディもなくなった。トランスミッションはXトラックの6速シーケンシャルを採用。ただしサスペンションはマルチリンクのままであり、希望する車高まで下げられなかったという。

 1994年のGT1クラスには、この3台の他にもグループN車両ベースの「ジョンソンスカイライン」、前年のチャンピオンモデルを流用した「コクピット館林GT-R」と合計5台のGT-Rが参戦。開幕戦で優勝し、続く第2〜3戦で表彰台を獲得した「カルソニックスカイライン」の影山がシリーズを連覇した。なおN1仕様のR32 GT-RでGT1クラスにスポット参戦したチームもあった。

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