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幻の2代目「クアトロポルテ」は生産台数わずか13台! 60周年のマセラティ高級サルーンを振り返ろう【前編】

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: Maserati S.p.A.

3代目(1979~90年) 大きくて壮麗なクアトロポルテのイメージを確立

1974年にイタルデザイン・ジウジアーロが、マセラティ「インディ」のシャシー上に構築したコンセプトカー「メディチ」および「メディチII」のデザインテーマを市販モデルとして具現化したのが、3代目クアトロポルテ。デ・トマソ・グループの傘下に入って1年後の76年秋、2ドアのビッグクーペ「キャラミ」に次いで発表されたが、生産準備に手まどったため、実際のデリバリーは79年まで持ち越された。

シャシーはデ・トマソの大型4ドアサルーン「ドーヴィル」のフロアパンを流用し、イタルデザインの手がけた全長4.9m級の大型4ドアサルーンボディを架装。伝統のマセラティV8を搭載したのが、このクルマの基本的な成り立ちである。

もとをただせば1950年代の超弩級レーシングスポーツ「450S」に端を発するV型8気筒4カムユニットは、先代同様4.2Lがスタンダードとされたが、4.9Lも選択可能とされていた。排気ガス対策に備えて少々デチューンされたとはいえ4.2L版でも255ps、4.9L版では290psを発生。5速MTないしは3速ATが組み合わされた。

このV8パワーは1900kgの超ヘビー級ボディにも充分以上のもので、4.9L&5速MTの組み合わせでは238km/hの最高速度を誇称。世界最速サルーンの座は防衛できたが、このクアトロポルテIIIをなにより印象づけたのは、最強のライバルと想定したメルセデス・ベンツ「450SEL6.9」などよりもはるかにゴージャスな内外装だった。

1986年には、エンジンを4.9Lに統一。内外装をさらに豪華絢爛に仕立てたロイヤルへと進化を遂げる。クアトロポルテIIIは1990年ごろまでに2141台が製造され、そのうち53台がロイヤルだったと言われている。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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