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二次回避能力を備えた「スカイライン」に乗った! 日産の次世代LiDAR技術の市販化を大至急希望します!【Key’s note】

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TEXT: 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)  PHOTO: 木下隆之/日産自動車

  • 日産の交差点での接触事故回避デモンストレーション

  • バイクが侵入するのを検知
  • 日産の交差点での接触事故回避デモンストレーション

さらに進化した次世代安全技術を体感した!

レーシングドライバーであり自動車評論家でもある木下隆之が、いま気になる「key word」から徒然なるままに語る「Key’s note」。今回のキーワードは「日産が開発した次世代LiDAR技術」です。ただ安全に止まる、ただ安全に回避する、というだけではない新技術がどのようなものなのか、木下さんが日産のテストコースにて体験してみました。その完成度とは?

目の前の危険を回避するだけでなく二次被害も防ぐ

日産は開発中の高度な安全運転支援技術を公開しました。これまでの車両センサー技術「LiDAR(ライダー/Light Detection And Ranging=光による検知と測距)」をさらに進化させた次世代LiDARを活用することで、交差点の事故を回避する、より高精度なシステムの開発に成功したのです。

LiDARはレーザー光を照射し、その反射をセンサーすることで対象物の距離や形状を測るシステムのことで、近い将来の自動運転には欠かせません。多くのメーカーが赤外線照射、画像認識のためのカメラ、そしてより認識力の高いLiDARを活用して安全運転支援技術を進化させていますが、これまでLiDARに関しては懐疑的だった日産も、次世代LiDARに進化したのを機に、有効利用することになったというわけです。

デモンストレーションは、交差点での事故を想定して行われました。次世代LiDARが対象物の形からバイクであることを想定し、速度を正確に捕捉することで衝突を予測して急ブレーキをかけたのです。

バイクが侵入するのを検知

ですが、ここまではさして驚くものではありません。その正確性は評価に値しますが、日産が開発中の技術は二次回避能力を備えていることです。

物陰から急な飛び出しなどがあり、障害物をステアリング操作で緊急回避することに成功したとします。ですが、さらにその直後、子どもが飛び出しても緊急停止できるのです。

これまでは、一次的な危険回避能力でしかありませんでした。ひとつの事故を回避することが精一杯で、直後に遭遇する危険には無防備だったのです。そこが次世代技術のアピールポイントですね。

今回のデモンストレーションでは、交差点でかすめるバイクを急ブレーキで回避し、その直後、走り去ったことを認識するやいなやブレーキを緩めてスルスルと動き始めます。つまり、いつまでもその場に止まっていると、後続車から追突される可能性もあり、それをも回避したというわけです。

リアルワールドの世界では、バーチャルでの想定を超えた複雑な場面に遭遇します。その対応への大きな一歩になりますね。

* * *

この技術は開発中のものですので、すぐに市販車へ採用されるわけではありません。2030年までに市販車への採用を目指しているとのこと。一刻も早く市販車に搭載してほしいものです。

■木下隆之「Key’s note」連載記事一覧はこちら

  • バイクが侵入するのを検知
  • 日産の交差点での接触事故回避デモンストレーション
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  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 1960年5月5日生まれ。明治学院大学経済学部卒業。体育会自動車部主将。日本学生チャンピオン。出版社編集部勤務後にレーシングドライバー、シャーナリストに転身。日産、トヨタ、三菱のメーカー契約。全日本、欧州のレースでシリーズチャンピオンを獲得。スーパー耐久史上最多勝利数記録を更新中。伝統的なニュルブルクリンク24時間レースには日本人最多出場、最速タイム、最高位を保持。2018年はブランパンGTアジアシリーズに参戦。シリーズチャンピオン獲得。レクサスブランドアドバイザー。現在はトーヨータイヤのアンバサダーに就任。レース活動と並行して、積極的にマスコミへの出演、執筆活動をこなす。テレビ出演の他、自動車雑誌および一般男性誌に多数執筆。数誌に連載レギュラーページを持つ。日本カーオブザイヤー選考委員。日本モータージャーナリスト協会所属。日本ボートオブザイヤー選考委員。
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