本物を知る人のカジュアルな装い

トヨタのプレミアムブランドであるレクサスは、新しいラグジュアリーの価値を提供するというコンパクトなハイブリッドSUV「LBX」のプロトタイプを初公開した。ミラノで行われたイベントで公開されたLBXは「これまでの高級車の概念を変える、コンパクトサイズながらも走りやデザインも上質であるサイズのヒエラルキーを超えたクルマをつくりたい」との想いから、飾り気がなく削ぎ落とされたラグジュアリー（essential luxury）を備え、「本物を知る人が、素の自分に戻り気負いなく乗れるクルマ」を目指したという。

操縦安定性の向上などが図られている

全長4190mmのコンパクトなボディに、コンパクトカー向けプラットフォーム（GA-B）にレクサス専用の改良を施して採用。重心と全高を下げつつも広い室内空間を確保、トレッドの拡大でワイド&ロースタンスを実現している。併せて、構造用接着剤などの採用により、剛性アップだけでなく、高周波域での振動レベル低減、NV性能（ノイズ／バイブレーション）や操縦安定性の向上などが図られている。

ラグジュアリーモデルらしく静粛性にも注力されており、エンジンやその周辺からサイレンサーまで、ノイズや振動の発生源から抑制する取り組みも行われた。もちろん、操安性や乗り心地にも関係する空力にもこだわっている。パワートレインは1.5L直3エンジンとモーターを組み合わせ、高い出力のバイボーラ型ニッケル水素電池を搭載した。また、最新の先進安全装備であるLexus Safety System+を採用する。

ライフスタイルに合わせて5つの「世界観」を用意

内外装はヒエラルキーを超えた上質さや存在感を備えた「プレミアム カジュアル」がデザインコンセプト。エクステリアはフェンダー造形や大径タイヤ、新たなブランドマスクにより存在感のあるスタイルに。空力性能も高いユニファイドスピンドルやボディとの境界のないシームレスグリル、L字型シグネチャーのヘッドライトなどを備えた新世代ブランドマスクにも注目だ。

プレミアムらしいしつらえにこだわったインテリアは、リラックスしてクルマとの一体感を楽しめる空間が目指されている。馬を操る際の手綱に着想を得たブランドコンセプト（Tazuna Concept）を継承するコクピットには、12.3インチ液晶メーターや操作系を集約した9.8インチのタッチディスプレイを装備。着座位置を下げることでクルマの動きとの一体感を高めている。

そして、グレードにはユーザーのライフスタイルや好みに寄り添った「5つの世界観」を用意。

・COOL　コンセプトを最も象徴する。シンプルで洗練されたモダンな空間を表現。

・RELAX　落ち着きと華やかさを両立するハイラグジュアリー。車格を超えたプレミアムな空間を演出。

・ELEGANT　クリーンかつ温かみを感じる次世代モダンインテリア空間。

・ACTIVE　スポーティな中にも上品な遊び心を付与した、アクティブな空間。

・URBAN　シンプルですっきりとしたクールな印象を保ちつつ、都会的かつスタイリッシュな空間。

さらに、内装には約33万通りの豊富なバリエーションからオリジナルコーディネートが楽しめる、オーダーメイドシステム（Bespoke Build）を用意。ラグジュアリーモデルらしい自分だけの1台に仕立てる楽しみも味わえる。

レクサスが新たに提案するコンパクトラグジュアリー、日本での発売は2023年秋以降が予定されている。