新車時代の日本での価格の2倍で落札!
このほどRMサザビーズ「Villa Erba」オークションに出品されたM3 CSLは、2003年7月1日に製造された個体とのこと。イメージカラーであるシルバーグレー・メタリックの外装に、アマレッタの人工スウェードとリフレックス・クロスのインテリアが組み合わされ、「シャドーライン・スタイリングパッケージ」とクリア・ウインカーレンズが装着された。また、ライヒトバウの名にふさわしく、オーディオシステムもキセノンヘッドライトも装備されていない。
このM3 CSLは、2003年7月15日にバイエルン州ギュンツブルクのディーラー「オートバプティスト(Auto-Baptist)KG」社を介して初登録・納車され、2022年1月に今回のオークション出品者が購入するまで、初代オーナーの手元にあったことが判っている。また、車両に添付されている請求書には、現オーナーの手にわたった翌月にリアディファレンシャルとドライブシャフトを交換したことなどが詳細に記されている。
今回のオークション出品に際しては17カ所以上のサービススタンプが押された整備記録簿が付属しており、最新のスタンプは2023年3月16日に発行されたものである。いっぽう、BMW本社とのやり取りでは、ファーストオーナーへの納車前にリミッターを解除し、最高速度が280km/hのフルスペックに引き上げられたことなども確認されているとのことであった。
E46系M3は、古き良き鋳鉄ブロックを持つM社謹製ストレート6気筒自然吸気エンジンを搭載した最後のM3として、近年では味わいを求めるBMW通のエンスージアストから高い支持を得ているようで、それは市場価格にも反映されている。
くわえて、ヴィラ・デステのコンクール本選や、ヴィラ・エルバのコンクール一般公開会場では、主催母体でもあるBMWの素晴らしいクラシックモデルたちが、主役ないしはゲストとして登場することに影響を受け、隣接するオークション会場もBMWに対して購買意欲が高まりそうなことから、この競売はなかなか白熱するかと思われていたがその予想は的中。
近年、2000万円前後での取引が多いM3 CSLのなかにあって、5月20日に行われた競売では14万9500ユーロ、約2310万円で無事落札に至った。日本には150台(ほかに諸説あり)が正規輸入され、その際の販売価格は1150万円だったそうだが、今回の落札価格は、実にその2倍にも及んだことになるのだ。



























































































