わびさび漂う過疎の町、撮影のときはガラガラヘビに要注意
短いメインストリートをゆっくり流すと、ごく少ないが誰か生活している雰囲気の家屋はある。商業施設は先ほどのお店しか見当たらず、生活に必須なガスステーションすらない。当然ながら病院や薬局、そして警察署に消防署もだ。クルマで約10分の距離にエリックという街(といっても人口は1000人ほど)があるにせよ、ここでの暮らしを想像すると過疎に歯止めがきかないのも十分に納得できる。
名所と呼べるのは2カ所だけ。ひとつは国家歴史登録財に指定されたマグノリアのガスステーション、もうひとつはワンルーム・ジェイルと呼ばれる1室だけの刑務所だ。といっても資料が展示されているわけでも、スタッフが案内してくれるわけでもない。ガラガラヘビやコヨーテに注意しつつ、写真を撮影するくらいがせいぜいだろう。
ゆるやかに消えゆく街は一種のノスタルジーをかき立てる格好の素材だが、テキソーラは決してゴーストタウンではなく生活している人がいる。無断で敷地に立ち入ったりしないよう、訪れる際はくれぐれもマナーを忘れずに。
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最後になったが、原稿を書いている最中に面白いデータを目にした。なんと2020年に国勢調査を行なったところ43人で、2010年の36人から増加しているとのことだ。日本でもコロナ禍で地方への移住者が増えたと聞くが、もしやテキソーラでも同じようなことが起こっているのだろうか?
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