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完全無人タクシーが解禁! サンフランシスコで始まった自律走行によるサービスは本当に人に優しいのか?

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TEXT: 南陽一浩(NANYO Kazuhiro)  PHOTO: Waymo LLC/GM Cruise Holdings LLC

破壊行為はすでに起きている

無論、ロボタクシーが従来的な問題に期待すべくもなかった解決をもたらす側面もある。運転に自信がないとか、高齢で免許返納済みもしくは未取得者しかいない孤立世帯あるいは障害者に、福音となる可能性は高い。タクシードライバーや公共交通機関のオペレーターといった職種で失業は増えるだろうが、ロボタクシーなら酔っぱらっているとか酷い対応をされるとか、サービスの質に波が生じるとことはないはずだ。

ただし地上戦といった通り、実際の運用にあたって今、留意されているのは、目隠し帽姿で自律走行車両を破壊しに来る無法者とか、当たり屋的にブツかって統計上の事故率を見せかけでも上げるといった目的で動く、悪意ある反対派の工作を抑えることや対策することではないだろうか。実際、前者のような、身元を隠した住民と思われる人々によるヴァンダリズム(破壊行為)は、すでに起きている。

自動運転に人が求めるものとは

ちなみにウェイモのアプリをダウンロードしてみると、GPS位置情報が海外なので、実際にどのぐらいサンフランシスコ市街に走っているのかは掴めないが、8月21日からサンフランシスコで課金を開始する旨がアプリ内に記されており、それなりの台数が実際に走行しているのだろう。ただし運行からひと月半以上経って、人身事故を含むクラッシュも少なからず報じられており、運用台数を控えているとの報道もある。

というわけで、24時間いつでも呼べる、完全無人の自律走行タクシーは、現実には利便性もコスパも最高の、快適な移動手段をもたらしたというより、モビリティのディストピアを招いているとしか思えない。そして結局、「私と自動運転」の視点からは、利己的な利便性や功利主義しか見えてこない。

そもそもサービスでも所有車でも、自動運転に人が求めるところのものは元々、グリーン車とかプライベートジェットとかショーファードリブンに求めるべきもので、乗客マナーの低下やCO2排出の影響で、クルマに過剰な期待がかけられていることは否めない。逆に、安く確実に目的地まで着きたいのなら、それこそ電車やバスで事足りるはずだし、対人によるサービスが嫌で孤立した空間にいたいのなら、Wi-Fiの安定した部屋で置き配を待っている方が快適だろう。移動するのはもちろん自由だが、実践レベルの自己責任論とは別に、他人を過度の危険に晒すべきではないのだ。

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