北米仕様を目標に新車からカスタマイズ

2023年9月2日～3日に静岡県の朝霧ジャンボリーキャンプ場で、「The SUBIE」というイベントが行われた。スバル車のUSDMカスタムはもちろん、本物の逆輸入車も数多く集まったこのイベントの会場内で、完成度の高いUSDMカスタムを施されたブルーのSK型「フォレスター」を発見。オーナーの増田さんはこのクルマをUSDM化するために特定のグレードを新車で購入するほどのマニアだった。

北米のプレミアムグレード再現のため国内のツーリングをベースに選ぶ

増田さんは、国内のベースグレードであるフォレスター ツーリングにサンルーフなどのオプションをフルで搭載した1台を新車でオーダーし、購入している。その理由を聞いてみた。

「北米のプレミアムグレードを再現するために、リアスポイラーのないモデルが欲しかったんです。あとプライバシーガラスではない透過率の高い窓もこのグレードだけなんです。でもサンルーフはどうしてもつけたい。そうすると新車買うしかなくって（笑）」

こうしてUSDMカスタムのためにわざわざ2019年式の新車を購入してしまった増田さん。しかも新車を購入しても、まだまだ終了ではない。むしろ新車をベースにここからカスタムがスタートするのだ。

バンパーや灯火類を交換しUS仕様を細部まで再現

まずは国内仕様と形状が異なるフロントバンパーを交換し、グリルもオリジナルのクロームグリルからシルバー塗装に変更。そのほか、フォグランプのカバーなどを装着している。ヘッドライトやテールランプをUSパーツに変更しているが、それ以外にも細かな部分の変更は多数行われている。

例えばミラーはボディ同色ではなくブラックとなり、鏡面には「ミラーに映った対象物は見た目より近くにいるよ」の文字が入る。さらにホイールはツーリングの純正のままだが、全体をシルバーにペイント。こうしたさまざまなモディファイによって、外観はほぼ完璧な北米仕様へと変身を遂げたのだ。

運転席まわりを中心に内装を左右逆転モディファイ

USDMカスタムは内装にも及ぶ。センターコンソールのシフトゲートは、シフトレバーの左側にレンジ表示される左ハンドル用で、電動パーキングブレーキのスイッチも左側に移設。さらにハンドル左右のレバーは通常右側がウインカー、左側がワイパーとなるが、USパーツを使って左右逆転しているのだ。細かな部分だが、どちらも毎日運転する際に目に入り、操作する部分。それだけ満足度も高いのだ。

こうして自分の理想のスタイルを手にいれた増田さん。単純に左ハンドルを輸入した方が楽だったかもしれないが、あえて右ハンドルでカスタムを楽しむことこそ、USDMカスタムの真骨頂。愛車に対する愛情もひとしおというわけだ。