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愛車を「かっこいいね」と褒められてオーナーが笑顔になるようサポートします【株式会社マルゼンホールディングス代表取締役社長 米岡功二氏:TOP interview】

愛車を「かっこいいね」と褒められてオーナーが笑顔になるようサポートします【株式会社マルゼンホールディングス代表取締役社長 米岡功二氏:TOP interview】

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TEXT: 塩見 誠(SHIOMI Makoto)  PHOTO: 横澤靖宏

ユーザーの生の声を取り入れたホイール

さて、ここでどうしてマルゼンがオリジナルブランドのホイールを開発することになったのか、伺ってみよう。

「当社はホイールとタイヤに特化して店舗販売や通信販売をしていることで、この分野ではお客様にもっとも近いところにいると自負しています。お客様からのリクエストを直接うかがうことができるのは、当社のスタッフです。その目線でホイールメーカーの商品を見たとき、ここがもうちょっとこうだったら、といったようなもどかしさを感じることが多々ありました。

当然、そういった要望はメーカー側に上げていくのですが、そのリクエストがカタチとなって現れるのには時間が掛かります。そこで、だったら自分たちで企画をした商品開発をしてみたらどうだろうということから、オリジナル商品をつくるようになりました。

また、当社が直接工場に依頼をして製作してもらったほうが、販売価格を下げやすいというのもオリジナル商品開発のメリットのひとつとなっています。ただ、ホイールメーカーの商品のほうがそのお客様のニーズにマッチしていると考えた場合には、その商品をお勧めしています。自社製ホイールがあるからといってそれが一番というのではなく、選択肢のひとつとしてラインアップしたということです。

とはいえ、自社製ホイールがヒット商品となると、これはやはりうれしいです。ロクサーニ・テンペストから進化したテンペストタービンというヒネリ系ホイールは、大ヒットしました。指名買いしていただけたのは本当にうれしかったですね」

こうやって業績を伸ばし続けてきたマルゼンだったが、その信頼性を大きく高めたプロジェクトがあった。それは取り付けサービスの拡充である。

「店舗販売だったらその場で取り付けをおこなわせていただくことができます。しかし通信販売の場合、従来は取り付けに関してはお客様のほうで考えてください、という方法しかありませんでした。

そこで当社では、全国にタイヤ、ホイール取り付けの提携工場網を構築し、通信販売でご購入いただいたお客様にも、プロによる取り付けをご提供できるようにしました。現在この提携工場は3500店にまで広がっています。このシステムは、WEB購入されるとき、ご住所を入力していただければ、そこから半径8km以内にある工場をすぐにご案内できるようになっています。取り付け日時に関しても同じ画面から予約できるようになっていますし、商品もその工場に直送。工賃も当社から工場に直接支払っていますので、お客様はホイールやタイヤをご購入いただいたあとは、予約した日にその工場に行くだけで取り付けが可能です。

じつはこれ、エアコンの取り付けサービスから思いついたものなのです。プロがおこなうべき作業をプロにおこなってもらうためにはどうしたらいいのか。そこを考えました」

オリジナルのCMはどうしてできた?

ところで、マルゼンといえばあの印象的なCMである。これはどうやってうまれたものだったのだろうか。

「当社がまだ地域密着店舗だったころから、広告宣伝には力を入れていました。基本的な考えかたとしてCMは宣伝というよりも、営業活動費である、と思っていたのです。とはいっても、自分も含めた家族の手書きチラシをワイパーに挟んだりするところが最初です。

その後は新聞チラシやラジオCMへと進んでいき、テレビCMにたどり着きました。しかしこのテレビCMというのは、コストがケタ違いに掛かるんです。そのため最初は、間違いがないようにスマートなCMをつくったのですが、これは正直、失敗でした。まったく話題にならなかったのです。

そこで次に芸能人のかたを起用したのですが、スキャンダルリスクという面やコストを考えると、効果が小さかったのです。そこで、だったら自分たちが出てしまおうとなりました。自分たち現場の人間が出ていれば、それをネタにお客様とお話もできます。そこであの、CMソングも生まれました。すでにタイヤを転がすCMができてから16年になりますが、いまでも顔が変わらないね、といわれます(笑)。

現在ではその上で、YoutubeやTikTokなど、SNSにも力を入れています。これは10年後にお客様となるであろう若い世代のかたとお話させていただいていく中で、テレビよりもSNSのほうが影響力が大きいと気付いたことがきっかけとなっています。これからはお金での差別化ではなく、時間での差別化が大事になるのではないか。だからこそはじめるなら早いほうがいいということから、SNS活動をはじめています。毎週動画をアップしていくのは正直いって大変ではあるのですが、はじめて約半年たったいま、テレビ見てるよ、という人に加えて、Youtube見てるよ、と言ってくださるかたがあきらかに増えてきています」

最後に、マルゼンにとってのNAPACはどのような存在なのだろうか。

「ロクサーニをつくって販売しはじめたとき、NAPACにメーカーとして加入しました。安心・安全というNAPACの思想は、当社も同じくしているところです。ユーザーのかたに信頼していただくことは、クルマ好き、カスタム好きのかたを増やしていくときの絶対だと思っています。ですのでホイールをつくったときにはすぐに加入を決めました。

今後のことも含めていうならば、現在NAPACは安心・安全のために基準を策定してそれを守るという部分を大事にしていますが、できればNAPAC走行会に加えて、ユーザーのかたに夢を見てもらえるような、わくわく感を味わっていただけるような参加型企画を増やしていってもらいたいと思っています。そうすることでもっとカスタム好きの人を増やしていくことができるのではないでしょうか」

* * *

米岡功二氏が社長職を引き継いだとき「人の喜ぶところに、繁栄あり」と経営理念を定めた。これには、お客様はもちろん社員、取引先、地域社会に貢献するのがマルゼンであり、お客様に対してもただ受け身になるだけではなく提案をし、よりいい結果を生み出して喜んでいただく、そしてその結果として会社の繁栄、地域の繁栄を図っていく、という意味が込められている。

扱っている商品は足まわり系をメインに幅広く展開して、クルマが唯一地面に接しているのがタイヤで、それを支えているのはホイール。またここはカスタムの第一歩という基本中の基本であるからこそ、この理念は重い意味を持っている。

「笑顔をカスタムする会社」。それがマルゼンホールディングスである。

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  • 塩見 誠(SHIOMI Makoto)
  • 塩見 誠(SHIOMI Makoto)
  • 1965年生まれ。学生時代からオートバイとクルマに熱中し、自動車雑誌編集ののちフリーランスライターに。これまでAE86トレノ、CC72Vアルトワークス、E38AギャランVR-4RS、1980年式シロッコ、CD9Aランサー・エボリューション、プジョー306スタイルなど、クルマを乗り継ぐ。オートバイはCB250RS、RZ250、ZZ-R1100、T-MAXなどつねに複数台所有。現在の愛車はフタ桁ナンバーのアルファ ロメオ156V6とサーキット遊び用のNCP91ヴィッツRS・TRDターボM、JA45クロスカブ。
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