数多くの入賞を成し遂げた
RS04の戦闘力は予想どおりに高く、アレジは開幕戦のホッケンハイムでポールポジションを獲得したほか、パフェットとシュナイダーは、それぞれ優勝とファーステストラップを記録。エストリルでのアルバースの優勝からは、やや苦しいレース展開が続くが、シリーズ中盤のノリスリンク、上海、ニュルブルクリンクではパフェットが見事に優勝を飾っている。
アレジとRS04-002は上海で4位、ノリスリンクとニュルブルクリンクでは10位と7位を記録した。翌2005年のDTMでは、このRS04-002はプライベートチームのミュッケ・モータースポーツに託され、シュテファン・ミュッケが3度のトップ10入賞を果たした。さらに2004年用のマシンで2006年のシーズンをトップでフィニッシュするという栄誉さえ手にしたのである。
そして2007年、RS04-002の所有権はチェコのモータースポーツ・プロモーター、アントニオン・チャロウズにわたり、オリジナル仕様とカラーリングに完全にレストアされた。今回それはRMサザビーズのミュンヘン・オークションに出品され、47万5000~57万5000ユーロ(邦貨換算約7743万円~9315万円)の予想落札価格を提示してオークションが行われたが、純粋なレースマシンということもあり、おそらくは出品者の希望落札価格には届かなかったのだろう。流札という結果に終わってしまった。
ちなみにこのモデルは、現在でも48万5000ユーロ(同7518万円)という価格で、RMサザビーズのプライベート・セールで販売が継続されている。