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ショッキングピンクのマツダ「サバンナRX−7 254」が富士を走った! ボディキットはマツダスピード製でした

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了/佐藤正勝/宮越孝政/マツダ

25xシリーズ集大成のRX-7 254でル・マン初完走。WECで国内凱旋も

ル・マン24時間で悔しい予選落ちとなった1979年から2年後の1981年、マツダスピードは252iの正常進化モデル、サバンナRX-7 253をリリースしています。ボディに関してはリアのウィングを廃してダッグテールとしたこと、そしてエンジンに関してはマツダ本社から供給されたワークスチューンの13Bエンジンが搭載されたのが大きな相違点となりました。

ワークスチューンの13Bはウェーバーのキャブを装着。1979年に252iに搭載されていたクーゲルフィッシャーの機械式燃料噴射式13Bに比べて20psほどパワーアップ。トム・ウォーキンショー・レーシング(TWR)とのジョイントで事前に出場したシルバーストン6時間では総合8位/GTUクラス優勝を飾っていました。しかし一層期待の高まったル・マンでは2台ともに予選通過を果たしたものの、決勝では1台がスタートから2時間後にデフのトラブルで、もう1台も夜半にはミッション・トラブルで2台ともリタイアとなってしまいました。それでも予選落ちを喫した前回よりは1段ステップアップ。三度目の正直となった1982年には、とうとう念願の完走を果たしています。

その1982年用のマシンはサバンナRX-7 254でした。これはRX-7 253の正常進化モデルであり、25xシリーズの集大成となるマシンでもありました。メカニズム的にはマツダのワークスチューンエンジンが、予選用にはパワーが絞り出せるクーゲルフィッシャー製のメカニカル・インジェクション仕様でレース本番には燃費的に有利なウェーバー製のキャブレター仕様の2種類を用意し、ハイパワーに対応して駆動系などを強化。

一方外観ではヘッドライトが縦2連の4灯式となり、再びリアにウィングを装着するようになったことが大きな相違点でしたが、細かく見ていくとドアミラーのカバーなどエアロに対する細やかな配慮が見てとれました。本番ではトム・ウォーキンショウ/ピーター・ラベット/チャック・ニコルソン組はリタイアに終わりましたが、寺田陽次郎/従野孝司/アラン・モファット組は予選49位から決勝では着実なペースで追い上げ、ラストラップではハラハラさせられながらも最後の力を振り絞ってチェッカーを受け、チームの悲願だった完走を果たして総合14位、IMSA-GTX(グループ5)クラス6位入賞を果たしています。

悲願の完走を果たしたサバンナRX-7 254は、同年10月に富士スピードウェイで開催された世界耐久選手権(WEC)のシリーズ第7戦WEC  in JAPANに凱旋出場。従野孝司/関谷正徳/トム・ウォーキンショウ組が総合6位/IMSA-GTXクラス優勝を果たし、25xシリーズに有終の美を飾っています。

2023年10月29日に富士スピードウェイで開催された「箱車の祭典2023」に出場した14号車は、このWEC in JAPAN出場車を再現したレプリカ。当時マツダスピードから発売されていたキットパーツを使い、ショッキングピンクのカラーリングも忠実に再現していました。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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