0-100km/h加速で2.8秒!
搭載されるバッテリーも、プロトタイプからさらに進化を遂げていた。そのウエイトは約90kgに抑えられ、レザーやアルミニウム素材を贅沢に用いたキャビンを与えながら1420kgという車重を実現できたことは、これもまたレゲーラのスペックで大いに驚かされたところ。この軽量性とエレクトリック・モーターの特性を生かしたパワー、そして優れたエアロダイナミクスによって、レゲーラは0-100km/h加速で2.8秒、0-400km/h加速を30秒以下でこなすパフォーマンスを得たのである。
ケーニグセグのモデルには、このレゲーラにかぎらず常にその驚異的なパフォーマンスに注目が集まるが、それとともに過ごしたカスタマーは、磨き上げられたカーボンファイバーをバックに何十個もの小さなLEDでデザインされたコンステレーション・デイタイム・ランニングライトや、ボタンひとつの操作で車体の開口部をコントロールできる油圧式のオートスキン・システムなど、実用的な装備が充実していることにも好感を得ただろう。
今回RMサザビーズのパリ・オークションに出品されたレゲーラは、新車からワンオーナーで走行距離もわずかに522kmというモデル。その落札価格は242万3750ユーロ(邦貨換算約3億8780万円)。もう2度と新車では購入できないモデルだけに、この数字にも十分な説得力がある。スウェーデンの地に本拠を構える孤高のハイパーカー・メーカー、ケーニグセグは、これからも世界の最先端をいく技術、そして圧倒的な速さで我々の目を楽しませてくれるに違いない。
AMWノミカタ
新車のベース価格は未公表ではあったが、当時のレートで2億円オーバーとも伝えられたレゲーラ。では1億円以上もプレミアムが付いたかと早合点しがちだが、オプションだけで1億円以上も当たり前のクルマだけにそう簡単ではない。走行距離522kmと新車同然の今回の個体、新車価格とほぼ同じくらいと捉えたほうがよさそうである。