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まだ手が届くジャガーの名車! 660万円で落札された「XJR-S 6.0」はTWRのレースノウハウが詰まっていた!?

まだ手が届くジャガーの名車! 660万円で落札された「XJR-S 6.0」はTWRのレースノウハウが詰まっていた!?

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2023 Courtesy of RM Sotheby's

このモデルとしてはハイエンドの660万円で落札

このほどRMサザビーズ欧州本社が開催した「PARIS 2024」オークションでは、「The Timeless Collection(タイムレス・コレクション)」と銘打ったコレクターから、主に第二次世界大戦前の至宝のごときクラシックカーが出品されたが、このジャガーXJR-S 6.0は同コレクションから競売に供される、唯一の戦後生産モデルとなった。

この個体は、もともとベルギーのジャガー・カーズ代理店のオーダーに応えて製作されたことから、スピードメーター/オドメーターは「mph(マイル)」ではなく「km/h」表示。ステアリング位置は、ヨーロッパ大陸の法規に合わせたLHD(左ハンドル)とされている。

1992年1月13日に工場から出荷されたXJR-S 6.0は、「ブラックチェリー」と名づけられた、黒に近いダークレッドのボディカラーに、同系色の「チェリーレッド」のコノリー社製レザーインテリアを組み合わせて仕上げられた。

2012年8月に「タイムレス・コレクション」にくわえられたのち、オークション公式WEBカタログの作成時点でオドメーターは9万1826kmを示しており、ジャガー社発行のドキュメントやマニュアルなどを収めたファイルを付属しての販売となった。

そして、オークショネアであるRMサザビーズ欧州本社では、出品者側との協議のもと「Offered Without Reserve(最低落札価格なし)」で行うことを決定。エスティメート(推定落札価格)は2万ユーロ~3万ユーロというリーズナブルなものとした。

この「リザーヴなし」という出品スタイルは、比較的安価な出品ロットに適用されることが多い。たとえ出品者の意に沿わない安値であっても落札されてしまうという不可避的なリスクはあるものの、金額の多寡を問わず確実に落札されることから、買い手の購買意欲が進むというメリットもある。

そして1月31日、パリ・ルーヴル宮の「サル・デュ・カルーゼル」を会場として行われた競売では順当にビッドが進み、終わってみればエスティメート上限を1万ユーロ以上も上まわる4万250ユーロ、日本円に換算すれば約660万円で落札に至ったのだ。

ここ数年で、ベースモデルとなるジャガーXJ-Sのマーケット相場価格もじりじりと上昇してきている状況を鑑みたとしても、今回の落札価格は近年のXJR-S 6.0としてはハイエンドにも近いもの。個体のコンディションの良さが認められたということなのであろう。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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