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ボンネットの開口部は多いほうが偉い?「インテーク」と「ダクト」の2種類の機能があることをご存知ですか

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: AMW

  • ボンネットダクトを純正で採用する三菱 ランサーエボリューション
  • ボンネットダクトはエンジンの発熱量が大きいハイパワーなターボ車を中心に設置される
  • スポーツ走行は高回転域を常用するため余計に熱が上がりやすい
  • エアインテークが設置されるクルマの大きな特徴は、インタークーラーが上置きの車両であること
  • 性能アップは必要なくルックス重視、という人にはダミーのダクトがオススメ
  • エンジンルームの熱を排出するボンネットダクトを設置する日産 GT-Rのニスモ製パーツ
  • 冷えた空気をエンジンに送り込むエアインテーク
  • エンジンルームの熱を排出するボンネットダクト

用途や特徴をそれぞれ紹介

スポーツカーに多く採用される穴が開いたボンネットは、純正品で標準装備されているタイプから、軽量化やカスタムアイテムとして販売されている社外品などさまざまなタイプがあります。その目的は、熱を「出す」ボンネットダクトと空気を「入れる」エアインテークに大きく分けられます。今回はフロントエンジン車のボンネットについて、その用途や特徴をそれぞれ紹介します。

熱を排出するボンネットダクト

ボンネットは純正品で標準装備されているタイプから、軽量化やカスタムアイテムとして販売されている社外品などさまざまなタイプがあり、目的は「出す」と「入れる」に大きく分けられる。ひとつはエンジンルームの熱を排出するモノで、名称は「ボンネットダクト」と呼ばれることが多い。そもそもダクトとは建物の換気や排煙に使う管を指しており、言葉どおり「出す」ための穴であることは想像できるはずだ。

純正で採用するのは三菱「ランサーエボリューション」など、エンジンの発熱量が大きいハイパワーなターボ車が中心。スポーツ走行は高回転域を常用するため余計に熱が上がりやすく、ダクトがなければ油温や水温はすぐに危険な領域へ達してしまう。

電装品やプラスチック製パーツへの影響も無視できないし、エンジンルームが狭いクルマは特に熱がこもりやすいのだ。チューニングでパワーが上がれば発熱量はさらに大きくなり、ラジエターの容量アップやオイルクーラーの追加だけでは、冷却が追い付かずにオーバーヒートを起こす可能性もある。そのため社外ボンネットはダクトを大きくしたり、形状や位置の見直しや追加といった工夫を凝らし、ノーマル以上の冷却性を備えているケースが多い。

空気を送り込むエアインテーク

もうひとつは冷えた空気をエンジンに送り込む、一般的に「エアインテーク」などと呼ばれる穴。コチラを採用するのもボンネットダクトと同じくターボ車だが、大きな特徴はインタークーラーが上置きの車両であることだ。インテークを設けることで冷えた外の空気を効率よくエンジンに送り込み、パワーやトルクを向上させベストなパフォーマンスを長く維持させられる。もしボンネットが塞がっていればバンパーやグリルを通し、エンジンルームで熱せられた空気を吸い込むことになり、本来のポテンシャルを損ないトラブルにも繋がってしまう。

なおインタークーラーの効率アップを狙って、上置きから前置きに変更するクルマも多くあるが、当然ながらインテークはあまり意味を持たなくなる。ちなみにインテークとダクトの両方を備えているボンネットや、エアクリーナー付近にインテークを設けたボンネットもあり、デザインを含めユーザーの選択肢は豊富にあるといっていい。

ノウハウのあるプロに任せよう

より人と違うスタイルを求めるのであれば、純正または穴のないボンネットを加工して、ダクトやインテークを埋め込むのもアリだ。パーツの価格は比較的リーズナブルであり数や位置も自由。ただし空気の流れをよく考えて開口部を設けないとと意味がなく、雨水が浸入して錆びやトラブルが発生することもあり得る。

またボンネットの剛性や強度にも影響するので、作業はノウハウのあるプロに任せたほうがいい。性能アップは必要なくルックス重視、という人にはダミーのダクトがオススメ。両面テープで貼るだけと手軽かつ剥がすのもカンタンで、よほど近寄って見なければ本物かどうかも分かりにくい。

最後に「出す」と「入れる」の見分け方を。開口部がフロントバンパーなど車体の前方に向いていれば冷えた空気を導入するため、逆にフロントガラスなど車体の後方に向いていれば熱を排出するためと覚えておこう。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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