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トヨタ「GRヤリス」のマイナーチェンジはフルモデルチェンジに等しい! 初期型ユーザーは買い替えのご準備を

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TEXT: 橋本洋平  PHOTO: 木村博道(KIMURA Hiromichi)/TOYOTA GAZOO Racing

  • フロントバンパーの形状を大きく変更。向かって左にはサブラジエータ、右にはATFクーラー、中央にはインタークーラーを配する
  • 大きく変更されたインパネまわり。ステアリングチルトの調整幅も拡大されている
  • ドライバーの操作性を重視してデザインされたインパネまわり
  • 世界トップレベルのDCTと同等のタイムラグと変速時間を実現するGR-DAT
  • 4WDモードセレクトの配分も見直された
  • モータースポーツでの戦闘力向上を目指し、エンジン出力を200kw(272ps)から224kw(304ps)へ、トルクを370Nm(37.7kgf/m)から400Nm(40.8kgf/m)へ向上させている
  • インパクトが大きい一文字に繋がるテールランプを採用する
  • GR-DATはダート走行でも威力を発揮した
  • マイナー前と比較すると、走りに関する部分が大きくブラッシュアップされている

進化型と呼ぶに相応しい見事な正常進化を遂げた

登場からおよそ3年半が経過したトヨタ「GRヤリス」がマイナーチェンジを行いました。これをGRでは進化型と呼んでいますが、その内容は多岐に渡り、フルモデルチェンジと言っていいレベルです。インプレッションも含めて紹介していくことにしましょう。

(初出:GR YARIS magazine Vol.02)

■進化のポイント1

操作性にこだわったダッシュボードまわり

進化のポイントひとつ目は、ダッシュボードまわりを刷新してまるで異なるクルマかのように変化したことだった。プロドライバーの意見を聞いて作り直したというそれは、操作パネルとディスプレイをドライバー側へ15度傾けてセット。パワーウインドウスイッチも手前へと迫り上がることで、フルハーネスを締めていても操作できるようになった。

ドライビングポジションを見直して視界も広くなった

さらに、ドライビングポジションを25mmも下げ、それに合わせたステアリングのチルト&テレスコピック作動領域を変更している。事実上のマイナーチェンジながらも、衝突試験をやり直したというのだから驚きだ。結果として実用車然としていたコクピットはレーシングライクな仕上がりへと変化した。座っているだけでも気分が高まる12.3インチのフルカラーTFTメーターの存在もありがたい。ルームミラーが上にずれて左前方がよく見えるようになったこともメリットだ。

■進化のポイント2

MTに負けない反応を見せるGR-DATの登場

ふたつ目の大きな変化はGAZOO Racing Direct Automatic Transmission(以下GR‐DAT)という新開発の8速ATを選択することも可能になったことだ。高応答リニアソレノイドや高耐熱湿式摩擦剤を採用したほか、ギヤ比のクロスレシオ化、ソフトウエアの改良により、世界トップレベルの変速スピードを実現している。

■進化のポイント3

最高出力/最大トルクともに大きくアップ!

3つ目のポイントはエンジン。現行の最高出力200kW(272ps)/6500rpm、最大トルク370Nm/3000~4600rpmから進化型は、最高出力224kW(304㎰)/6500rpm、最大トルク400Nm/3250~4600rpmへ。サーキットモードではアンチラグも作動させてレスポンスの向上を実施。スピードリミッターの解除も行うほか、クーリングファンの出力最大化も行ってくれる。

ボディ剛性アップや4WDモードセレクトの変更も行なわれた

さらに、ボディはフロントアッパーサポートを1点締結から3点締結へ。スポット打点は開口部などを中心に10%アップ。構造用接着剤もさらに投入している。その上でショックやスプリング、そしてフロントスタビライザーも変更。加えて4WDモードセレクトも変更があった。現行型はNORMALが60:40、SPORTが30:70、TRACKが50:50。進化型はNORMALが60:40、GRAVELが53:47、TRACKが60:40~30:70までの可変となる。

■試乗して感じたこと

サーキットだけでなくグラベルでも、その進化を感じとることができた

走り始めてまず感じるのは質感の高さだ。ステアリングのインフォメーションが濃厚になり、微小操舵角から確かな反力が得られるようになったところが好感触。フロントのロールスピードもゆっくりとなり、その過程が理解しやすく変化した。

一方でリアの安定感もかなり高い。試乗当日はウエットだったため、あえて旋回ブレーキでリアをスライドさせてみたが、その際の流れ出しもかなり穏やかになり、コントローラブルだ。足まわりもきちんとストロークする感覚に溢れており、これならストリートにおける突き上げなども解消されているのではないかと予測する。従来よりも全体的にマイルドになった感覚で、ややGRカローラ方向になった感覚がある。けれどもヤワになったわけではない。

エンジンは明らかにピックアップも伸び感も上であるし、トルク配分を可変としたTRACKモードが、うまく曲げてくれる感覚もある。ただ、追い込んで行くとややお節介なほどに曲げてくれすぎるところもあり、GRAVELで走ったほうが、先読みしやすいリニアな感覚であるように感じた。ドライ路面で確認できなかったのでなんとも言えないが、あくまでグリップ内で走る場合にTRACKモードは役立ちそうだ。

心地良いフィーリングが得られたGR-DAT

GR‐DATモデルは駆動が途切れず、クロスレシオ化されたことで小気味良いステップが繰り返される感覚がたまらなく心地良い。シフトアップした際にはカツンと前に押し出される感覚もあえて与えたことで、極端に言えばドグミッションか2輪のクイックシフターでも味わっているかのようだ。重量は20kgほど重くなるようだが、そんなネガは一気に消えてしまう面白さがある。

ダートでもこのGR‐DATを試したが、シフトダウンとサイドターンが合わさるような環境ではむしろMTよりも車両コントロールがやりやすかった。これなら、ラリーでも挑戦してみようかな、なんて思えてくる。ビギナーにモータースポーツの裾野を広げてくれそうなその仕立てはなかなか嬉しい。GRカローラにも展開されることを期待したい。このように、進化型はどこを見ても魅力的。初期型ユーザーは買い替えを視野に入れたほうが良いかもしれない。

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