日本から輸出されたのち、英国、アメリカ、カナダを渡り歩いたフィガロ
このほどRMサザビーズ「The Dare to Dream Collection」オークションに出品された「ペール・アクア」色のフィガロには、純正オプションのレース仕上げのシートカバー、「オレンジ・シャーベット」色の純正フロアマット、本革巻きサイドブレーキレバーのほか、カップホルダーやカーゴシェルフ、ロア・カーゴトレイ、マッドフラップ、ジュエル・グループのレインディフレクター、ドアエッジモール&キックプレート、ヘッドライトバイザー、ホイールアーチモールなど、当時モノの純正アクセサリーがふんだんに装備されている。
なかでも、発売時のキャッチコピー「Tokyo Nouvelle Vague(東京ヌーヴェルヴァーグ)-1991-」の文字が刻まれた純正オプションのフェンダーガードは、それ自体が希少で望ましいオプションといえよう。
販売に際して添付された資料によると、このフィガロは2006年に日本からイギリスに輸出され、アメリカ合衆国に持ち込まれるまでの10年間は英国内で保管されていた。
大西洋を渡り、アメリカに上陸した翌年の2017年、人気コメディアンで世界的自動車コレクターとしても知られるジェリー・サインフェルドが『ヴィンテージカーでコーヒーを(Comedians in Cars Getting Coffee)』のエピソードで運転。おもちゃ屋からこのクルマを回収するというウィットに富んだ演出ののち、『サタデー・ナイト・ライブ』の出演者メリッサ・ヴィラセニョールを乗せてブルックリンをドライブするシーンにも登場した。
このフィガロは、2019年に現在の「The Dare to Dream Collection」が入手。現在も全体的に良好なコンディションを保っており、足まわりはオリジナルの良好な状態である。RMサザビーズによる、公式オークションウェブカタログを作製した段階での走行距離は9136kmで、イギリスと日本のサービスインボイスを含むヒストリーファイル、サービスマニュアル、そしてサイン入りのサインフェルド氏の写真が添付されている。
フィガロが欲しければ日本国内で探すのがベスト
RMサザビーズ北米本社はこの日産フィガロについて「最高の出所を持つJDMモダン・クラシック、これは歌うべきフィガロです」というPRフレーズを添え、5万ドル~6万ドル(約785万円〜942万円)という、以前の国内マーケット相場を知る日本人には信じがたいほど高額のエスティメート(推定落札価格)を設定した。
なお、この「The Dare to Dream Collection」オークションは、すべて「Offered Without Reserve(最低落札価格なし)」形式で行われるというのが前提条件。したがって、たとえ入札が希望価格に到達しなくても落札されてしまう「リザーヴなし」で出品されることになっていた。
とくにこのロットは、エスティメートの段階からけっこう高価だったこともあって、「リザーヴなし」ではしばしば起こりうる安価な落札を危惧する見方があったのは間違いないだろうが、実際の競売ではその不安が的中。思うようにビッド(入札)が伸びなかったようで、終わってみればエスティメート下限を大きく割り込む3万3600ドルで落札された。
現在のレートで日本円に換算すると約520万円というハンマープライスは、円安も相まって、とても高価に感じられよう。
でも、まだけっこうな台数の残る日本のマーケットでは、依然として安価なものなら100万円台、極上コンディションの車両でも300万円台くらいで入手可能な現況を鑑みれば、やはりこれからフィガロを手に入れようとする日本人は、できるだけ日本国内で探すのがベターといえるだろう。
































































