乾燥重量は1212キロ
ボディシェルは通常の964型911の組み立てラインで製造されているものの、強度を高めるためにすべての継ぎ目が溶接されている。その後アクシデント時の衝撃を防ぐと同時に、さらに高い剛性を得るためのロールケージを装着。サスペンションはもちろん専用のセッティングで、車高は通常のロード仕様からさらに約38mm低下した。
ステンレススチール製のハイムジョイント、調節可能な競技用ビルシュタイン製ショックアブソーバーとストラット、こちらもアジャスタブルのアンチロールバー、ターボS用のABS付きブレーキと競技用パッド、RSのものより0.5インチ幅の広い18インチのスピードライン製3ピース・ホイールなど、サーキット走行への備えは万全だった。
ちなみに完成した911カレラ RSR 3.8の乾燥重量は1212kg。レースにエントリーするチームは、この重量によって必要に応じてバラストを搭載してレギュレーションをクリアすることができたのである。
RMサザビーズは、この911カレラ RSR 3.8に、125万~150万ドル(邦貨換算約1億8283万円~2億1940万円)のエスティメート(推定落札価格)を掲げ入札の行方を見守ったが、最終的にその数字が止まったのは132万5000ドル(邦貨換算約1億9380万円)でのことだった。まさに究極の964型911ともいえるRSR 3.8。その希少性やコンディションを考えれば、この評価も当然というべきなのだろうか。



























































