オーナーズファイルはもちろんヒストリーファイルも付属
今回紹介するNSX タイプRは、先日開催されたRMサザビーズのロンドン・オークションに出品された、1994年式のモデル。当時9色が用意されていた標準ボディカラーの中から、シャーロット・パール・グリーンが選ばれ、さらにホイールは希少なチャンピオンホワイトの7本スポークのカスタムオーダーという、NSXとしては非常に珍しいカラーコーディネートが見る者の目を魅了する。
このファーストモデルのNSX タイプRは、1992年のデビューから約3年間にわたって生産されるが、その台数は483台、あるいは480台と諸説ある。このオークション出品車は、ヒストリックカーレースやラリーの常連であり、当時日本に銀行員として駐在していたアンソニー・ギャリエス・プラット氏によって、1125万円を投じて購入されたもの。
またこのモデルには無限チューブラー・マニフォールド、ウルトラ・ロー・ファイナルドライブを内蔵するLSDも工場出荷時に装着されている。
ギャリエス氏は1998年にこのタイプRとともにイギリスに戻り、2011年に現在のオーナーにそれを売却。日本仕様として生産されたモデルだけに、スピードメーターは当然のことながらマイルではなくキロ表示だ。車両にはオーナーズマニュアルのほか、日本時代にさかのぼるヒストリーファイル、ジャッキ、ツールキット、タイヤ空気入れ、スペアホイールが付属する。
オークション・シーンでもめったにお目にかかれないNSX タイプR。RMサザビーズのエスティメート(推定落札価格)は強気の23万〜29万ポンド(邦貨換算約4426万円〜5581万円)。今回は残念ながら落札者は現れなかったが、日本の誇るミッドシップ・スポーツとして、その価値はこれから大きく高まる可能性があることは確かだ。










































































