高貴なブラックに彩られたスーツ姿のビーストは約6287万円
このほどRMサザビーズ「LONDON」オークションに出品された2000年モデルのヴァンテージ ル・マンV600 スペシャル・エディションは、アストンマーティン・ラゴンダ社の旧ニューポート・パグネル工場で40台のみが製造されたうちの37台目であり、右ハンドル仕様の18台のうちの1台である。
そのパワーにふさわしい威圧的な漆黒「ボウランド・ブラック」の外装に「V600ファクトリーパッケージ」と5速クロスレシオマニュアルギアボックス、5本スポークのセンターロック式マグネシウムホイール、スーパースポーツエキゾースト、アップグレードされたHi-Fiシステムを装備して、新車として納車された。
ファーストオーナーは、イングランド北部ウェストヨークシャー州リーズの「JCT600」というアストンマーティン正規ディーラーが行う年次点検のために、このクルマをわざわざ車載トレーラーで運んでいたと伝えられている。
納車から14年後となる2012年6月、このV600は2人目のオーナーによって譲り受けられ、アストンマーティン社「アストンマーティン・ワークス」によるエンジンのフルリビルドが行われた。さらに、キャビンは現在のブラックとマグノリアのコンビカラーのレザーに張り替えられ、電動シートにはブラックのパイピングが施された。
その後、2014年11月に3人目のオーナーがこの個体を取得し、アストンマーティンのスペシャリストとして世界中に名を馳せる「ニコラス・ミィ(Nicholas Mee & Co)」社がメンテナンスを行ったのちに、オークション出品となった。
ヒストリーファイルも添付される
今回の出品に際して、15カ所のサービススタンプが押されたオーナーガイド、純正ツールキット、消火器、ジャッキ、アームレストトーチ、ヒストリーファイルが添付されていた。
新車時代からRMサザビーズの公式カタログ作成時に至るまでの走行距離はわずか9980マイル(約1万6000km)で、RMサザビーズの公式カタログでは「真の“スーツを着た野獣”を手に入れる、とてもレアなチャンス」と謳いつつ、25万ポンド~30万ポンド(当時のレートで約5000万円〜約6000万円)というエスティメート(推定落札価格)を設定していた。
そして迎えた競売ではビッド(入札)がグングン伸びたようで、終わってみればエスティメート上限を突破する31万4375ポンド、当時のレートで日本円に換算すれば約6287万円で競売人の小槌が鳴らされることになったのである。





















































































