エンジンルームは伝統文化を想起させる趣向に
フェアレディ240ZGでは、そもそもロングノーズのスポーツカールックだった初代フェアレディZに、ヘッドライトを透明な樹脂でカバーして空気抵抗を低減したエアロダイナノーズ、通称Gノーズを装着して全長を190mm延長し、5本スポークを模した純正のホイールキャップにライトグレーのオーバーフェンダー。エクステリアはオリジナルを忠実に再現している。
その一方でボンネットを開けると眺めは一転する。オリジナルだとたしか、2連のSUキャブに赤いエアクリーナーケースがつき、ヘッドカバーはアルミの地肌が渋く光っていた……記憶があるが、この個体では久留内代表の熱い想いが注ぎこまれたのだろうか、赤く塗られたヘッドカバーと、個々にステンレスのメッシュカバーのついたエアクリーナーを備えた3連のソレックス・キャブが目を引いた。
また容量をアップした白いラジエターやストラットタワーバーの青いマウント、そして黄色のシリコンパワー・プラグコードなど、エンジンルームは艶やかで、まるでシックな表地にあつらえた着物の裏地に凝った、我が国に古来から伝わってきた伝統文化を思い起こさせる、そんな趣向だった。
またインテリアは、ドライバーズシートはバケット式に交換されているものの助手席はオリジナルのまま。そしてその前には吊り下げ式のエアコン(クーラー?)が装着されており、懐かしさもひとしおだった。
フェアレディZ RZ34ZGマルーンはオリジナルさながらの出来栄え
そんな1971年式のフェアレディ240ZGと同様にマルーンに塗られた、フェアレディZ RZ34ZGマルーンの仕上がりも上々。久留内代表の、あふれるような“Z愛”が感じられる1台だ。2024年の東京オートサロンで登場したフェアレディZ 500ZGは、オーナーの愛着からブルーに塗られていたが、フェアレディZ RZ34ZGマルーンは、その名の通り1971年式のフェアレディ240ZGを模したオリジナルの「ZGノーズ」を装着してマルーンに塗られているから、遠目には1971年式のフェアレディ240ZGと見まごうばかり。ブースに近づくまでは、これこそがレストアカーの240ZGと思っていて、ブースに立ち寄ってRZ34ZGマルーンと気づいた次第。久留内代表は
「街道レーサーっぽくまとめた」
と言うが、なかなか上質な仕上がりとなっている。
1971年式のフェアレディ240ZGと2025年モデルのフェアレディZ RZ34ZGマルーン以外にも気になるクルマもあって、「僕のGT-R」と題されたクルウチGT-R PROJECTで製作された「GT-R R356c Concept Design」などはその筆頭で、そのコンセプトから興味深い1台だが、こちらはまた機会を見て紹介したいと思う。









































