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なぜ英国王室はロールス・ロイス「ファントム」を御料車に迎えた? 第二次大戦を挟み復活した最高級リムジンの歴史を振り返ります

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TEXT: AMW  PHOTO: ROLLS-ROYCE MOTOR CARS

  • 1950年から1958年の間にわずか18台生産されたロールス・ロイス ファントムIV
  • 1933年式のロールス・ロイス ファントムII
  • 1933式のロールス・ロイス ファントムII コンチネンタル
  • ロールス・ロイスの共同創業者のひとりであるヘンリー・ロイス
  • モントゴメリー陸軍元帥が載っていたロールス・ロイス ファントムIII
  • 1966年式のロールス・ロイス ファントムV
  • 1972年式のロールス・ロイス ファントムVI

ファントムの100年の歴史をたどる

ロールス・ロイス・モーターカーズは、2025年に最上位モデル「ファントム」誕生から100周年を迎えます。ファントムは現在8代目まで続き、一切妥協することのない比類なきドライビング体験は最新モデルまで継承されています。そこで、AMWでは記念すべきファントムの歴史を3回に分けて紹介します。第2回目は、創設者のひとりであるヘンリー・ロイスの死後からファントムが復活する物語です。

V12エンジンを搭載し、先代より45馬力アップ

1933年にヘンリー・ロイスが亡くなったとき、ロールス・ロイスは顧客がよりパワフルなモデルを求めていることを十分に認識していた。キャデラック、リンカーン、パッカードなどの米国の競合他車ブランドは、直列8気筒、V型12気筒、さらにはV型16気筒エンジンなどを搭載し、同社が長年使用してきた直列6気筒エンジンは急速に影を潜めていった。

こうした商業的な圧力と、航空機用エンジンの設計、製造で培った経験を考慮すると、次期「ファントム」にV型12気筒エンジンを搭載することは必然であった。1936年に発表されたファントムIIIは『タイムズ』紙によって告知され、「このクルマは、有名な先代モデルであるファントムIIから多くの優れた特徴を受け継いでいる」と紹介された。

V型12気筒エンジンを搭載するファントムIIIの最も重要な特徴は、「よりなめらかで柔軟性があり、静かで加速力に優れている」という点であった。V型12気筒エンジンは旧型の直列6気筒エンジンよりもコンパクトで、ボンネットを短くして乗客の居住空間を広くすることが可能となった。パワーはファントムIIの最大出力120psに対して、ファントムIIIは最大出力165ps、そして後期モデルは最大出力180psにまで向上した。

また新シャシーフレームにより、より広く快適な後部座席を実現。独立型フロントサスペンションにより、オーナードライバーやショーファーにとっても生活をよりリラックスしたものにした。

ファントムIIIはあらゆる種類のコーチワークに適しており、オーナードライバーとショーファーどちらの用途にも適していた。価格面ではアメリカのライバルブランドに勝てなかったが、最高のクルマに乗りたい人たちにとっては、ファントムが唯一の選択肢となった。

第二次世界大戦後にシルバーレイスが誕生

1939年に第二次世界大戦が勃発するまでの約14年間、ファントムは世界最高級のクルマと謳われていた。しかし、ロールス・ロイスは戦争期間中に自動車の生産をすべて中止。1945年に平和が戻ると、会社はまったく異なる世界に身を置くことになった。しかしながらそれは同社が予期し、準備していたことでもあった。

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