乗り心地だけでなくアクセスも考慮されたリアシート
ジムニーノマドの外板パーツは、3ドアのシエラと共通部品もあるが、フロントグリルをはじめ、前後のドアパネル、リアフェンダー、そしてルーフパネルが新規部品となっている。なかでもガンメタリック塗装のフロントグリルはメッキパーツを使用した5スロットルグリルを採用し、ノマドの個性を主張している。
インテリアはグローブを使用したままでも確実に操作できる物理スイッチを利用していることなどは3ドアのシエラを踏襲。しかしリアシートは乗員が快適に移動できるように、座面や背もたれに厚みを持たせており、3ドアのシエラとは大きく異なる。
シエラが機能に徹した潔さを表現しているのに対して、ノマドは快適性、積載性、乗降性にもこだわっている。それを表しているのがラゲッジスペース。ボディサイズが延長されたことでラゲッジスペースの容量は4人乗車時でも211Lを確保している。
またリアシートの居住性を重視しているので、背もたれを倒してもフルフラットにならないが、ディーラーオプションの2万9700円(消費税込)のラゲッジボックスを使用すればフルフラットも可能だ。
またリアシートへの優れた乗降性を実現するため、リアドアトリム前端、Bピラートリム後端に最大限の面取り、リアシート角を大きくカット。そしてホイールハウス開口部の直線化というふうに、単なる5ドア化ではなく、細部にわたって高い配慮がなされている。
運転支援機能も増強されている
ジムニーノマドが搭載しているエンジンは、最高出力102ps、最大トルク130Nmを発生する1.5L直列4気筒DOHCの1種類。トランスミッションは5速MTと4速ATが組み合わされ、駆動方式はパートタイム4WDのみというのはシエラと同じだが、車両重量が1180kg~1190kgと増加しているため、燃費性能はWLTCモードで13.6~14.9km/Lとなっている。
ジムニーノマドのラインアップは「FC」の1グレード。装備面でシエラの上級グレード「JC」と比べると、運転支援システムがシエラのデュアルセンサーブレーキサポートから、ノマドではデュアルカメラブレーキサポートに変更されている。
これにともない、ノマドは5速MT車でもクルーズコントロールを標準装備、4速AT車では、アダプティブクルーズコントロール(ACC)に加えて、後退時ブレーキサポート、後方誤発進抑制機能、標識認識機能に一時停止も追加されている。
さらにリアフォブランプの標準装備をはじめ、スピーカー数もフロント2+リア2の合計4スピーカーとなっている。5ドア化による利便性や安全性能の向上を考えると+56万6500円は決して高くない。
月販目標台数は1200台というジムニーノマド。争奪戦は必至なので、ほしいという人は即、販売店で予約した方が良いだろう。