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水素を安全に持ち運べる「水素化マグネシウム」が自動車の未来を拓く!? 最新マテリアル情報を「名古屋水素技術フェア2025」からお届け

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)  PHOTO: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)

  • 水素の発生については100℃あたりの温度が最適ということになるが、常温での保存が可能でアルミパウチ袋で10年以上の安定保管も可能
  • 燃料添加剤として販売がスタートしている「ECOMAX」もこの「水素化マグネシウム」を使用したものとなる(Beingが製造販売)
  • 出展ブースのフロアは多くの来場者が詰めかけていたが、このバイオコーク技研&トクヤマのブースは特に人気のブースだったようだ
  • 今回デモンストレーションとして行われたのが気球に使う水素発生器。ボンベなどを搭載しなくても、これを搭載すれば浮力を発生させることができる
  • デモンストレーションでは非常にシンプルなモデルが登場したが、基本的にその仕組みは同じ。発生した水素はそのままバルーンに送り込むため耐圧容器も不要となる
  • 空気に触れることで、湿気取りもしてしまう「水素化マグネシウム」。便秘改善薬などにも使用されるものであるし、食べてしまっても問題ないという
  • 名古屋商工会議所で開催された「カーボン ニュートラル テック・フェア」および「名古屋水素技術フェア2025」。中京地区だけでなく広く関連企業が出展した
  • ちょっとしたメモパッドのようなサイズのものが展示されていたが、この質量の水素化マグネシウムで270L(風呂釜1杯ほど)の水素を発生させることができるという

安全に水素を持ち運べる「水素化マグネシウム」に注目

「カーボン ニュートラル テック・フェア」および「名古屋水素技術フェア2025」と銘打って、名古屋商工会議所で2025年1月28日(火)〜29日(水)の2日間にわたって展示会とセミナーが開催されました。今回は、会場で気になった新マテリアル「水素化マグネシウム(MgH2)」を紹介します。

水酸化マグネシウムは加工して再び「水素化マグネシウム」に戻る

「名古屋から未来へ! 水素エネルギーで新産業の扉を開こう」というキャッチコピーで開催された「名古屋水素技術フェア2025」は最先端の水素技術を開発する8社の企業が出展しました。会場では、水素を安全にかつ大量に貯蔵、運搬が可能な素材として、以前AMWでも紹介した新マテリアル「水素化マグネシウム(MgH2)」が出品されていました。

2022年の「第18回FC EXPO 水素・燃料電池展」でのレポートとして、簡単・手軽・安全に水素を取り出せるコンパクトな水素キャリアとして今後の活用が期待されるのではないかということで「水素化マグネシウム」について紹介しました。あれから2年あまり、「水素化マグネシウム」を開発した「バイオコーク技研」と、化成品・セメント・電子材料などを製造販売を担当する山口県にある「トクヤマ」の合同ブースとして今回のこの名古屋での展示会での出展となっています。

「水素化マグネシウム」は「水」を加えることで化学反応が起き、「水素」と「水酸化マグネシウム」が生成されます。前回の「FC EXPO」では、この発生した「水素」を燃料電池ユニットへ送り込むことで発電し燃料電池車を走らせることができるというものでした。水素の発生と同時に生成される「水酸化マグネシウム」は回収後に加工して再び「水素化マグネシウム」に戻すことができるというものです。

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