上下に開くドアこそスーパーカーの象徴だった
ランボルギーニ「カウンタック」の登場は、世界中のクルマ好きに衝撃を与え、日本でもスーパーカーブームを牽引しました。たとえようのない斬新なボディデザイン。リトラクタブルヘッドライト。そして、上下方向に開閉するシザーズドア(通称ランボルギーニドア)など、それまでのクルマの概念を飛び越えたアイデアが満載で、それに憧れるユーザーがとても多かったものです。今回紹介するのは、そんなスーパーカーに対する憧れを形にした“来夢来人”さんのトヨタ「MR2」です。
MR2をベースにしたスーパーカーオマージュカスタム
「スーパーカーブームは衝撃的でしたね。私も大人になって働くようになったら、ランボルギーニ カウンタックを買いたいと思ったのですが、実際は無理でした。でも憧れはずっとあったので、カウンタックLP500のようなスタイルのクルマへの興味が強かったのです」
2024年10月6日に福岡県にあるあまぎ水の文化村で開催された「九州テンロク・ミーティング」に参加した“来夢来人”さんが、このトヨタ「MR2」を選んだ理由、それは、リアエンジンのミッドシップレイアウトで、リトラクタブルヘッドライトという、まるでスーパーカーのような装備がされた小型の市販量産車だったからだ。1984年の初代発売開始と同時に注目され、同年の日本カーオブザイヤー、翌年の北米同賞を獲得しているだけに、MR2の登場は、“来夢来人”さんだけではなく世界中のクルママニアが歓喜したのはいうまでもない。
この初期型MR2ユーザーの中では、ネットオークションなどで購入できるシザーズドアキットは、知られた存在だった。スーパーカーへの憧れが消えない“来夢来人”さんにとっても、一度は挑戦したいカスタマイズだったので、今から6年前にシザーズドア化を実現したのだった。
実用性はゼロ! 見た目よければすべてよし
購入した商品は、MR2専用というよりもシザーズドア化するための汎用キットだったという。念願のミッドシップレイアウト、リトラクタブルヘッドライト、そしてシザーズドアという、スーパーカーの三種の神器を手に入れたことで、完成した際の気持ちは大満足。しばらくは、意気揚々と自慢の愛車をドライブする日々が続いた。
「でも、2年ぐらい経ってこのスタイルを普段から乗り続けることが、面倒になってしまったのです。構造上、無理矢理このキットを取り付けていることもあり、フェンダーと干渉する、付属していたアブソーバーが抜けてドアが落ちてくる、そんな事も頻発するようになり、とても気を遣うカスタムだったのです」
その結果、出した結論は運転席のみ通常仕様に戻すというスタイルだった。今回の取材時にすべて助手席側しか開いていないのは、それが理由である。
「もともと、配線などは延長キットを自作することで、いつでもノーマルに戻せるように対応していたのです。そのため、普段使いで不便を感じた運転席側だけノーマルに戻しています」
現在の仕様は、2年前にオールペンをして完成させた。色味は純正色のブルーマイカを基準に、若干明るめで調色。サスペンションはRS-R製スプリングとボルクレーシングのTE37で足元を引き締めている。

また、トヨタ博物館で開催されているMR2ミーティングのコンテストでは優勝経験もあるという“来夢来人”さん。憧れのカウンタックとのツーリングも体験済みで、少年の頃に思い描いたスーパーカーへの憧れは、形を変えてしっかりと実現したのだ。
>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)



















































