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シエラネバタ山脈のひとりハイキングで爆釣! ニューオリンズからの相棒はダッジ「デュランゴ」で気分一新!【ミシシッピ川ブルース旅_04】

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TEXT: 牧野森太郎(MAKINO Shintaro)  PHOTO: 牧野森太郎(MAKINO Shintaro)

  • ダイナミックなシエラネバダの風景
  • 年配の一人ハイカー。彼にとっては、荷物が重くなっても本は欠かせないのか
  • ファイアーリングのメンテに回ってきたレンジャー
  • テントサイトの横を流れる川
  • この日は、ぼく一人きりだった
  • 一瞬たりとも留まらず流れ続ける川は偉大だ
  • 第一投でヒットしたきれいなニジマス(レインボートラウト)
  • 美しい湖が次々に現れる
  • 標高3000m以下は焚き火が許される
  • 鹿がサイトに現れた
  • キャンプサイトで知り合ったケン
  • 静かな森に日が高くなっていく
  • グレンパスからの景色。山火事の影響で煙っていた
  • 5日後、仲間と合流。みんな元気でよかった
  • 無事に下山。やったぜ!
  • 翌日、国内線でニューオリンズに向かう。第2章の始まりだ
  • 出た! ダッジ デュランゴ。アメリカ車らしい、どっしりしたデザインがカッコいい。ハーツさん、ありがとうごあいました!
  • スプーンにヒットしたブラウントラウトの仲間

シエラネバダ山脈のトレイルを丸4日間、一人旅

2024年の8月末から、アメリカをミシシッピ川沿いに南北縦断して音楽の歴史をたどる旅に出ることにした筆者。最初にカリフォルニア州のシエラネバダ山脈で仲間と10日間のハイキングをし、その後、ミシシッピ川を30日かけて北上する、計40日のプランです。シエラネバダでは想定外にハードな行程のため仲間たちはゆったりコースに変更。筆者は丸4日間、一人でトレイルを進むことになりました。

一人キャンプで釣りと焚き火と夜空を満喫

一人きりになった最初の日、川がすぐ横を流れるキャンプサイトにテントを張った。夜の焚き火のための枝を集めていると、女性レンジャーがファイアーリングのメンテナンスにやってきた。大きな石をどけ、シャベルを使って灰を掻き出す。30分以上かかる重労働だ。仕事を終えてひと休みする彼女に話しかける。

「もし、生まれ変わったらパークレンジャーになりたいんですよ」

レンジャー歴5年という彼女は笑顔になり、「お勧めしますよ」と応えてくれた。

夕方、釣竿を持って川に出た。瀬が浅く、難しいかと思ったが、1投目できれいなレインボートラウト(ニジマス)がヒット。ポイントを移動しながら2時間ほどで30尾近く釣ることができた。夕食のおかずに型がいい1匹だけをキープした。

夕食の準備をしていると、鹿の親子が遊びにやってきた。しばらく餌を物色しながら歩き回っていたが、やがて森の中に消えていった。焚き火開始。火を見ていると、すぐに時間が経ってしまう。このサイトにほかのキャンパーは来なかった。川のせせらぎ、風が葉を揺らす音。一人だけの夜は、五感が敏感になる。焚き火から離れた川岸で空を見上げると、たくさんの星が浮かび上がった。

翌日には、当初の目標であったグレンパス(グレン峠)にアタック。なんとか登り切って、眼下にRae Lakesを見下ろすことができた。ところが、ヨセミテの方向で山火事が起きているそうで、残念ながら視界は煙っていた。これもまた大自然だ。

いかにもリベラル風な「ケン」と大統領選挙の話題に

一人キャンプの最終日、ケンという男が話しかけてきた。若くみえるが、ぼくと同じ65歳で、すでにリタイアしているという。長年、プロダクトデザインに携わってきたとかで、このハイキングにも自分で作った便利グッズを持ってきていた。

いろいろな話をするうち、大統領選挙の話になった。

「カマラはどうだろうね」と聞くと、彼は首をひねり「彼女はパペットだと思うよ」という。パペットは操り人形。日本流にいえば、傀儡政権か。ちょっと意外な答えだった。

「誰のパペットなの?」

「分からないけど、オバマかな。だいたい、アメリカは投票の仕方はおかしいよ。すぐに不正ができてしまう」

ちょっと様子がおかしくなってきたぞ。

「じゃあ、誰が一番いい大統領になるの?」思い切って聞くと、「トランプ」とひと言。

カリフォルニアは圧倒的に民主党が強い。実際、過去に出会った人たちもほとんどが民主党を支持していた。ケンはルックスも仕事もリベラル風なので、完全に民主党支持と決め込んでいた。そういえば、LAで宿泊したホテルの前にトランプ・グッズを売るMAGAの露店が出ていたが、店番をしているのはヒスパニック系の女性だった。

当たり前だが、アメリカは広くて分厚い。それを思い知らされた出来事だった。

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