上質にして軽快なガソリン+48Vマイルドハイブリッド搭載モデル
「ゴルフ8」から「ゴルフ8.5」へと移行するマイナーチェンジにて施行された最大の変更ポイントは、eTSIベーシック版(アクティブ ベーシック/アクティブ)に搭載されるパワーユニットが従来の3気筒1.0Lターボ+48V・MHEVから、4気筒の1.5Lターボ+48V・MHEVに置き換えられたこと。ただし、最高出力は3気筒1.0L時代(110ps)と大きくは変わらない116psに抑えられるいっぽうで、従来型にも存在した150psの1.5Lターボ+48V・MHEV搭載車は上級グレード(スタイル/Rライン)として併売される。
今回試乗することのできた「eTSIアクティブ」は、最廉価版に相当する「eTSIアクティブ ベーシック」ともども、116psスペックのもの。このパワーの数値だけ見ると少々心もとない印象も受けそうだが、アイドリング+αの1500rpmから220Nmの最大トルクを発生するトルク特性に、48Vマイルドハイブリッド機構のアシストが加わって、じつに快活。一般道でも高速道路でも、全ゴルフで最軽量となる1320kgの車体も相まって、確実に流れをリードできる。
またスロットルを深く踏み込めば、同じゴルフでもGTIのごとき豪快な咆哮ではない、いかにも実用車然とした排気音が高まりはする。でも、音量自体はかなり低く抑えられており、会話やオーディオの音楽を損なうことはないだろう。
なお、パーシャルスロットル時に2気筒分を完全停止してしまうという、新たな気筒休止システムは介入が非常にスムーズ。かなり頻繁に作動しているはずながら、筆者ていどの感性・感度では、2気筒走行とフル4気筒走行の違いは感じ取ることができなかった。それは、燃費とCO2の削減に大きな効力を発揮するであろうこのシステムが、とても巧みに作用している証といっても良いだろう。
リアの突き上げ感も影を潜めてサルーン然とした乗り心地
ところで、これらのベーシックグレードでは、一部では忌み嫌われがちなトーションビーム式の後輪懸架を採用しながらも、ゴルフ8では指摘されることもあった後輪からの突き上げ感や、コトコト・ザラザラした感触も影を潜め、ロードノイズもとても静かな印象を受けた。
とくに、タッチパネルの操作でドライブモードをデフォルトの「コンフォート」にしておけば、より大柄なサルーン然とした乗り心地と快適性が満喫できるのだ。
この好ましさには、アクティブ/アクティブ ベーシック仕様に採用される、205/55R16という今どきの常識ではかなり細めで扁平率も高いタイヤの影響力もあるのは間違いないだろう。しかしパワートレインの面も含めて、ゴルフ8の発表時に巻き起こった指摘や批判を真摯に受け止め、確実に弱点を解消に近づけてきた真面目なスタンスには、かつてのフォルクスワーゲンの美風が蘇ってきていることを実感するのだ。
















































