ハイブリッドシステムは存在を意識させないまでに洗練
シャシーやボディのポテンシャルに感心しつつ高速道路を走り進めるなか、E-TECHの特徴である多段トランスミッションとドッグクラッチによる変速も、モーターとエンジンのそれぞれの仕事とその協調を意識させないことに、逆に目が向くことになってくるのだった。
もっとも、アルカナのE-TECHには、最初に日本に導入されたモデルでも乗っているのだが、その際は高速道路での巡航時や、そこからの加速といった状況で、速度域からするとエンジンが主体となるが、そこにモーターがアシストするような際、エンジン側が4速ギアを選択しているだろう110km/hあたりを境に、モーター側に備えた2つのギアのローとハイの切り替わりを、ごくわずかな前後Gの変化で察知させるところがあったと記憶している。
それがこのマイナーチェンジ版では、同様の速度領域周辺でいろいろな加速度、減速度で試して観察しても、もちろんモーター側ギアは動作はしているはずなのに、それを知ることがまずできなかった。E-TECHとしては、新型アルカナでエンジンを優先的に作動させて駆動用バッテリーの電力を温存するE-SAVEモードを備えたこと以外では、とくにアナウンスされていないが、細かく洗練度を高めてきていることが窺えるのだった。
控えめなエンジンパワーでも高速域でゆったり走れる
エンジンは1.6Lの自然吸気で最高出力が94ps、最大トルク148Nmとかなり控え目の性能だから、高速走行でパワーに余裕ありという感じではないが、必要に応じてモーターがアシストすることから、しっかりとトルクをもたらす感覚で、最高速度120km/h区間などでも、ゆったり走れるものだった。
東北自動車道は北上を重ねても、時折、急に雪が舞うことがあっただけで、秋田自動車道への北上ジャンクションまで路面には一切の積雪はない状況だった。こうして、高速巡航性能と安定性を東北自動車道の速度域が変わっていく中で、しっかりと確かめることができたのだった。
でも、求めているのは雪道だと思いながら秋田自動車道に入ると、次第に道の両脇には低い雪の壁が、そして路面にも雪による轍が見られるようになってきて、ようやく雪国にやってきたという思いに至るのだった。
はたしてこの先、ルノー・ジャポンがラゲッジルームに載せておいてくれた、樹脂製チェーンの出番はあったりするのだろうか。

















































