中身まで徹底的に造り込んでいる
内田さんが製作したスカイラインGT-Rの50勝記念車のスゴイところは、見た目だけではなく、中身まで徹底的に造り込んでいる点だ。
「この50勝記念車はJCCAで実際にモータースポーツをやっていたので、トランスミッションは直結5速のクロス、カムはレーシング仕様で、サイドマフラーは直管です。筑波、富士、鈴鹿ではサーキットのコース設定が異なるので、毎回デフを交換するなど、セッティングを変更して本気で走っています。安全装備もしっかりしており、つねに国さんがドライブする1週間前から各部を調整していたので、安心して飛ばしてくれました。神様である国さんが、まさか50勝記念車に乗ってくれるとは夢にも思いませんでしたね」
という内田さんは以前、
「国さんの功績を後世に遺したい、国産車の素晴らしさや歴史を知ってもらいたい、マフラーからイイ音がして気にしてもらって、若い人たちにこのクルマは何? というところから入ってもらって、ベテランには懐かしいな、と思ってもらえればいい」
とも語っていたが、箱車の祭典2024においてもスカイラインGT-Rの50勝記念車は老若男女問わず大人気で、土屋さんのドライブで富士スピードウェイを全開走行するS20エンジンの豪快なエキゾーストノートを天国の国さんに届けることができた。
当時のレーシングカーはヘッドライトが外され、代わりにレーシングジャケットと呼ばれる樹脂製のカバーが装着されていたが、これが当時の若者の憧れとなり、ドレスアップパーツのひとつとして人気だった。内田さんが製作したスカイラインGT-Rの50勝記念車は、そういったエピソードを伝える「走る資料」としても活躍している。





























































