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2代目と4代目「Eクラス」のハンドルをぶった切って測定してみた! メルセデス・ベンツの安全性にまつわる細かい疑問にお答えします【メルセデス安全性Q&A】

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TEXT: 妻谷裕二(TSUMATANI Hiroji)  PHOTO: Mercedes-Benz AG/妻谷コレクション(TSUMATANI Collection)

ハンドルの直径は何cm? グリップの太さは? そしてどう握るべき?

長時間運転するドライバーにとって、およそ背巾ぐらいの径のハンドルが最も好ましく、またグリップも太い方が疲れにくいとされています。「Cクラス/W204」および「Eクラス/W212」の直径は38.5cm、「Sクラス/W221」の直径は39cm、筆者の背巾は45cmです。その差は6~6.5cmとなるので、ごく自然に手を伸ばせばハンドルを握ることができます。このことが長距離運転をしても疲れない原因になっているわけです。

グリップは適度に太い方が良いということも、永年にわたる経験の結果、このような結論に達しています。つまり、細いグリップのハンドルを長時間握っていると、手の血行に影響を及ぼし、手のひらの感覚が無くなってしまうことがあるからです。また、ある程度太い方が握る力も少なくて済み、同時に疲労も少なくなります。しかも、最近のメルセデス・ベンツのグリップは、本皮巻きが標準仕様になり、より太くなってきています。

筆者が計測したメルセデス・ベンツモデルのグリップの円周の長さは、Cクラス/W204=11.3cm、Eクラス/W212=11.3cm、Sクラス/W221(ウッド部分)=9.5cmです。グリップの表面直径は、Cクラス/W204=3.2cm、Eクラス/W212=3.2cm、Sクラス/W221=2.8cm(ウッド部分)。また、グリップの奥行きは、Cクラス/W204=3.8cm、Eクラス/W212=3.8cm、Sクラス/W221=3.2cm(ウッド部分)となっています。

なぜ奥行きまで計測したかといえば、グリップは単に丸形ではなく、表面から手のひらへ向かって円錐形状になっており、手のひらで握りやすくなっているからです。

昔からハンドルはどう握るべきか、いろんな説があります。筆者は小学年の頃、文鳥やカナリアを育てた経験がありますが読者の皆さんはどうですか? メルセデス・ベンツは、ちょうど手のひらに小鳥をつかんでいるように握る程度が良いとしています。つまり、小鳥はきつく握りしめれば、まいってしまいますし、やわらかく握りしめていれば、うっかりしていると逃げ出してしまいます。従って、太いハンドルを適度の力で、小鳥をつかんでいるように握るのがコツになります。

ハンドルの材質、グリップ、芯はどのようになっているのか?

筆者も以前からメルセデス・ベンツのハンドル材質/グリップ/芯には非常に興味があり、Eクラス前期/W210とEクラス/W212のハンドルをサンダーでメスを入れ解剖してみました。

Eクラス前期/W210のステアリングを握る部分の材質は、やや柔らかいラバークッションの一体構造となっており、握りも丸形で柔らくなっています。一方、Eクラス/W212のハンドルを握る材質は本皮巻きが標準仕様になり、ずいぶんと硬く、またグリップ形状も異なり太くなっています。つまり、本皮巻きとなると、その縫い目をステアリングホイールにしっかりと巻きつけなければならないため硬くなり、しかも太くなっています。

Eクラス前期/W210のステアリングの芯は、丸形状の鉄製で中は空洞ですがかなり重たくなっています。握りの部分はやや柔らかいラバークッションの一体構造になっており、表面は滑らないようにシボ加工してあります。グリップの円周は円形で9.5cm、グリップの奥行きは3cmとなっており、表面も同じ3cmと全く円形になっています。

一方、Eクラス/W212のステアリングの芯は、円錐形状のアルミ合金を抱き合わせており空洞で軽量化を図っています。握りの部分は本皮を硬いラバークッション部分に貼り合わせ、しかも縫い合わせてあります。また、グリップの円周は円錐形状で、10.5cmとEクラス前期/W210よりも1cm大きくなっています。グリップの奥行きは3.8cmとかなり大きくなっています。

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  • 妻谷裕二(TSUMATANI Hiroji)
  • 妻谷裕二(TSUMATANI Hiroji)
  • 1949年生まれで幼少の頃から車に興味を持ち、40年間に亘りヤナセで販売促進・営業管理・教育訓練に従事。特にメルセデス・ベンツ輸入販売促進企画やセールスの経験を生かし、メーカーに基づいた日本版のカタログや販売教育資料等を制作。またメルセデス・ベンツの安全性を解説する独自の講演会も実施。趣味はクラシックカー、プラモデル、ドイツ語翻訳。現在は大阪日独協会会員。
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