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メルセデス・ベンツの実験安全車「ESF」ってなに? 安全性の最先端を切り拓いてきた第5世代は小型ロボットも搭載!?【メルセデス安全性Q&A】

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TEXT: 妻谷裕二(TSUMATANI Hiroji)  PHOTO: Mercedes-Benz AG/妻谷コレクション(TSUMATANI Collection)

メルセデス・ベンツの実験安全車「ESF」とは?

ESFとは実験安全車の意味。ドイツ語で「ESF」=「Experimentier- Sicherheits-Fahrzeug」、

英語では「ESV」=「Experimental Safety Vehicle」の略です。メルセデス・ベンツの安全性を語るには、この実験安全車・ESFを欠くことはできません。なぜなら、ESFの最新安全技術を世界で最初に量産車に採用している事実があるからです。

メルセデス・ベンツが事故調査部を開設して活動を始めた1969年頃、世の中でも交通事故に対する懸念が広がりはじめていました。米国では「自動車安全技術国際会議」が発足し、実験安全車の計画が立ち上がるとともに、諸外国に対しても安全技術研究への参加を呼びかけました。すでにメルセデス・ベンツは安全研究に関して長い歴史を誇っており、この呼びかけにすぐ応えるかのように1971年から「実験安全車・ESF」を次々に公開していきました。

1971年5月には最初のESF公開モデル「ESF 03」を発表し、次いで11月、ジンデルフィンゲンで開催した第2回国際ESF会議に「ESF 05」を登場させました。当時のミディアムクラス、「250/W114」シリーズをベースにしたもので、全長はベース車であるW114より655mm長く5340mm。衝突速度80km/hに対応し、フロントエンドに油圧式衝撃吸収装置を搭載。「フォースリミッター付き3点式シートベルト」、運転席と助手席に加えて後席にも用意された「SRSエアバッグ」「ABS」など、実験段階にあった安全装備も数多く搭載されていました。

その後1972年に「ESF 13」が公開され、「ESF 22」が1973年3月に京都で開催された第4回国際ESF会議で発表されました。これは明らかに当時の「Sクラス/W116(280S/350SE)」をベースにしたもので、外観は一変していますが、ボディ・コンストラクションの上ではわずかな補強と、前後に安全バンパーを備えるぐらいの改良に留まっていました。当時ハンス・シェレンベルク博士は、市販モデルをベースとするのは「メルセデス・ベンツ製品がすでに多くの安全性要素を備えているためだ」と語りました。

次いで「ESF 24」が1974年6月、ロンドンでの国際ESF会議に出品されましたが、メルセデス・ベンツの場合、アメリカの規格よりもずっと現実的なものになっていました。事実、このESF 24は外観・内装も当時のSクラス/W116とあまり違いがなく、「ESF要求事項を最適な形でバランスさせたもの」といわれ、ESFの開発は一応一段落しました。

1971からの4年間で、メルセデス・ベンツが製作したESFはなんと30台以上にも及びます。そして、一般に公開されたこれらESFモデルからABSやSRSエアバッグなどの技術が具現化され、量産車に導入されました。

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