ESF 2009に投入された数々の革新技術とは?
しばらく間をおいて2009年に発表された「ESF 2009」の大きな特徴は、「Sクラス ハイブリッド/W221」をベース車両としており、現代の重要課題である「環境」に対する強い姿勢を表わしていることでした。つまり、メルセデス・ベンツはこのESF 2009に最新の安全装備(とくにプレセーフ)をあえて組み込み、「安全性の向上と燃費効率の改善が両立する」ことを明示しました。
さらに搭載されている革新技術のすべてが、はっきりと確認できることも特徴です。例えばボンネットとバンパー、ドアに8つの窓が設定されていて革新技術の内側を見ることができ、通常はブラックボックスとなっているレーダーセンサーも一部切り取った状態でフロントバンパーに装着され、確認可能です。またSRSエアバックやシート間保護機能などの安全装備をデモンストレーション作動させるため、トランク内には圧縮空気タンクも設けられており、今までのESFよりもサービス精神が旺盛です。
逆にいえば、メルセデス・ベンツがESF 2009に革新技術を数多く搭載している証拠でもありました。衝突時に構造コンポーネントの安定性を瞬時に高める「膨張式金属構造」や、衝突が避けられないと判断した際に、フロアに内蔵された摩擦コーティング部が路面に押しつけられて補助ブレーキの役割を果たす「ブレーキバッグ」、さらに側面衝突時に乗員をクルマの中心方向へ最大5cm移動させることが可能で、乗員の身体にかかる力を約1/3低減する「プレセーフ・パルス」など、最新の装備は13点にも及びます。
最新の安全実験車・ESF 2019に採用されているユニークな安全技術とは?
メルセデス・ベンツは2019年6月に開催されたESF会議で発表した「ESF 2019」で、最先端の先進安全技術の数々を披露しました。第5世代の安全実験車であるこのESF 2019は「GLE」をベースにし、自動運転システムの採用はもちろん、開発中のさまざまな安全システムが搭載されています。
パワーユニットはプラグインハイブリッド・システム。このESF 2019が自動運転モードで走行時にはステアリングホイールとペダルはバルクヘッドに格納され、クラッシュ時のドライバーの負傷リスクを軽減しています。
とくにユニークなシステムは事故警告表示システムを備えていることです。事故が発生した場合、自動的に車両の後方から小型の自走式ロボットが走り出して、後方を走行している車両に前方が危険な状態である事を警告し、2次衝突事故を防止します。また車両のルーフからも三角表示板がポップアップし、同時にリアウインドウにも危険警告をディスプレイ表示します。























































